ガザの海岸に設置した仮設桟橋による人道支援物資輸送開始
2024年5月17日午前9時頃(日本時間 同日午後3時頃)、アメリカ中央軍(U.S. Central Command)はガザの海岸に設置した仮設桟橋により人道支援物資を積んだトラックの輸送を開始したことを明らかにしました。
トラックに積まれた人道支援物資は、アラブ首長国連邦(UAE)とアメリカ合衆国国際開発庁(U.S. Agency for International Development)によるものだという。
以前の発表情報によると、初期の運用では1日あたりトラック約90台分の輸送能力が想定されており、完全に運用が開始されると最大で1日あたりトラック約150台分の輸送が可能になる。
出典:U.S. Army Central
ガザの海岸に設置した1,800フィート(約550m)の仮設桟橋
出典:U.S. Central Command
ガザの海岸に設置した1,800フィート(約550m)の仮設桟橋の他に、長さ270フィート(約82m)のロールオン・ロールオフ(Ro-Ro)施設が沖合にあり、そこで貨物を積んだトラックを上陸用舟艇(Landing craft)に搭載して輸送をおこなっています。
以前、World Central Kitchenが海上からの支援物資輸送で建設した桟橋よりも延長が長いため、海岸から離れた水深が確保された位置で船舶を着桟することにより、上陸用舟艇の運用およびトラック輸送が可能になっている。
日本国内にも今回の仮設桟橋で使用されているものと同じような構造の組立台船がありますが、ブロックごとに輸送が可能で現場に合わせた自由度の高い組立形状から、災害時などの仮設桟橋として活用できそう。ただ、耐荒天性に少し難があるので設置場所は限られてしまう。ガザに設置した仮設桟橋も長期的な運用を考えると、今後の荒天にどこまで耐えられるのか少し不安。
米軍は上陸していない
人道支援物資の海上輸送という今回の作戦は、イスラエル軍と連携した上でおこなわれていますが、計画発表当初から一貫してガザへの米軍陸上部隊の駐留はないとされています。今回の作戦で米軍は上陸しておらず、非米系請負業者がトラックの運転を担当し、イスラエル軍が海岸沿いの警備をおこなっているという。
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