重量2,445トン、高さ60mの洋上変電所ジャケット輸送開始
デンマークのエスビャウ港でアメリカ東海岸バージニア州沖の「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」向けとなる洋上変電所基礎ジャケットが重量物運搬船「BIGLIFT BAFFIN」に積まれ、輸送が開始されました。
洋上変電所基礎ジャケットは高さ60m、重量2,445トン。
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」では、3基の洋上変電所を設置する計画となっており、今回輸送が開始された洋上変電所基礎ジャケットは最初の1基目にあたる。
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」の事業者であるDominion Energyから洋上変電所3基の製造を請け負っているのは、Bladt IndustriesとSemco Maritimeのコンソーシアム。洋上変電所トップサイド、ジャケット、ジャケット基礎杭の製造について、Bladt Industriesは鋼構造物とジャケット基礎の設計、調達、製造を担当し、Semco Maritimeは電気機器やアレイ間ケーブルの設計、調達、設置を担当している。
「BIGLIFT BAFFIN」はトップサイド積み込みのためオールボーへ
重量物運搬船「BIGLIFT BAFFIN」のAIS航跡によると、エスビャウ港へ入港したのは2024年11月12日。積み込み日時は不明ですが、11月28日にエスビャウ港を出港。その後、デンマークのオールボーで洋上変電所トップサイドを積み込みする予定ということですが、12月5日時点ではスカーイェン沖に停泊していました。
洋上変電所トップサイドはスペインのヤードで製造後、デンマークのオールボーにあるBladt Industriesのヤードへ2024年1月に輸送され、最終的な艤装作業が進められていました。トップサイドの重量は3,800トン。
重量物運搬船「BIGLIFT BAFFIN」
船名 | BIGLIFT BAFFIN |
総トン数 | 23,134トン |
載貨重量トン | 20,675トン |
長さ | 173m |
幅 | 42m |
深さ | 12m |
船籍 | オランダ |
建造年 | 2016年 |
【動画】エスビャウ港でのジャケット積み込み
5,000トン吊りクレーン船「ORION」による洋上変電所設置
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」で洋上変電所を設置するのは、DEMEが所有する5,000トン吊りクレーン船「ORION」の予定。
「ORION」は「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」でモノパイル設置作業に従事していますが、11月1日~4月30日までの期間は、設置エリア付近を絶滅危惧種のNorth Atlantic right whale(タイセイヨウセミクジラ)が通過する時期と予想されており、鯨を保護するという理由から現在はモノパイル設置作業を実施していない。
2024年11月1日に発表されたDominion Energyのプレスリリースでは、風力タービン用のモノパイル基礎78基と洋上変電所1基分にあたるジャケット基礎杭4基の設置完了が明らかにされています。洋上変電所基礎ジャケットは事前に設置されている基礎杭へジャケット下部の4点を挿入する構造で、洋上変電所設置作業はモノパイル打設を停止している11月~翌年4月の間に実施されるものと思われる。
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」の概要
名称 | Coastal Virginia Offshore Wind Farm |
設置位置 | アメリカ バージニアビーチから東へ27マイル(約43km) |
水深 | |
発電容量 | 2.6GW |
基礎構造 | 着床式、モノパイル |
タービンメーカー | Siemens Gamesa |
風力タービン | 14MW「SG 14-222 DD」(パワーブーストにより15MWへ増強可能) |
設置基数 | 176基 |
運転開始 | 2026年 |
事業者 | Dominion Energy |
その他 | 洋上変電所3基 |
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