ジョーンズ法に準拠、根固石設置船の鉄鋼切断式にバイデン大統領臨席

ジョーンズ法に準拠、根固石設置船の鉄鋼切断式にバイデン大統領臨席 洋上風力発電
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根固石設置船「Acadia」の鉄鋼切断式にバイデン大統領臨席

根固石設置船(Subsea Rock Installation Vessel)の完成イメージ
出典:Ulstein
Philly Shipyardの掲載記事【2023年7月20日】

Philly Shipyard Achieves Milestone with Steel Cutting for Offshore Wind Vessel with Visit by President Biden

(フィラデルフィア造船所、バイデン大統領の訪問を受けて洋上風力発電用鋼材切断でマイルストーンを達成)

https://www.phillyshipyard.com/philly-shipyard-achieves-milestone-with-steel-cutting-for-offshore-wind-vessel-with-visit-by-president-biden/

2023年7月20日、アメリカ東部のペンシルベニア州フィラデルフィアにあるPhilly Shipyardで建造するジョーンズ法に準拠した根固石設置船(Subsea Rock Installation Vessel)の鉄鋼切断式がおこなわれ、式典にはバイデン大統領が臨席。船はアメリカ国内で浚渫最大手のGreat Lakes Dredge & Dock Company向けに建造され、船名は「Acadia」であることが公表された。

バイデン大統領はジョーンズ法支持を強調 “Not on my watch!”

Philly Shipyardでの式典で演説するバイデン大統領
出典:Great Lakes Dredge & Dock Company, LLC

Philly Shipyardでの式典に臨席されたバイデン大統領は演説の中で1920年に可決されたジョーンズ法に触れ、いわゆる内航海運と呼ばれるアメリカ国内の港間における貨物の輸送に関して、米国船籍、米国人配乗、米国人所有そして米国建造という法律があるにも関わらず、米国人乗組員が運航しない外国建造船に依存する内容があるとした上で

“Not on my watch!” と述べ、聴衆からは拍手が沸き起こったという。

翻訳では「私の時計ではない!」や「私の時計には載ってないよ!」と訳されるので、ちょっと言ってる意味がよく分からない。ここで使われている ”watch” の意味は時計ではなく、意識して見ている、監視という意味。意訳すると「俺の目が黒いうちはやらせない!」という意味になるそうです。どこか映画のセリフで聞いたことあるような気がしますが、正義の味方が使う常套句のようなものらしい。

この発言から大統領としてジョーンズ法支持を強調。洋上風力産業のサプライチェーンを国内に持ち帰り、アメリカの造船業を強化、労働組合の良好な雇用を支援すると述べている。

アメリカで起きている事なので日本人の私には響きませんが、もし日本国内で同じように造船所の式典に首相が臨席して、スピーチの中で「俺の目が黒いうちはやらせない!」みたいなことを言って、造船業の支援をアピールしたら働いてる皆さんの気持ち爆上がりでやる気200%アップすることを想像しましたが、絶対ありえないでしょうね。

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根固石設置船「Acadia」

根固石設置船(Subsea Rock Installation Vessel)の完成イメージ
出典:Ulstein

建造する根固石設置船「Acadia」の基本設計を手掛けているのは Ulstein。英語では Subsea Rock Installation Vessel なので、直訳すると海底岩石設置船。いまいちだったので、勝手に根固石設置船としましたが、いいネーミングがあれば教えてください。

Great Lakes Dredge & Dock Companyの掲載記事【2020年12月3日】

Great Lakes Dredge & Dock Corporation Advances US Offshore Wind Energy Industry With Decision To Design First Jones Act Compliant, Purpose-Built Vessel For Subsea Rock Installation

【抜粋】Vessel to be built by US shipyard and expected to be operational as early as Q1 2024

(Great Lakes Dredge & Dock Corporation、初のジョーンズ法準拠の海底岩石設置専用船の設計を決定し、米国の洋上風力エネルギー産業を前進させる)

(船舶は米国の造船所で建造され、早ければ2024年第1四半期に運航開始される予定)

https://gldd.com/great-lakes-dredge-dock-corporation-advances-us-offshore-wind-energy-industry-with-decision-to-design-first-jones-act-compliant-purpose-built-vessel-for-subsea-rock-installation/

2020年12月に発表された記事だと早ければ2024年第1四半期に運航開始予定となっていますが、ちょっと厳しそう。2024年中に引き渡しがおこなわれるかどうか、といったところでしょうか。

根固石設置船は、モノパイルやジャケット下部に洗掘防止の目的で根固め石の設置をおこなう。傾斜が付いた投下パイプを使用して風力タービン基礎などを設置した海底に根固め石を投入する。水深や取り扱う石の形状は詳細の記載が無いので不明。

建造後は、アメリカ東海岸の洋上風力発電プロジェクトで運用される予定で、東部沿岸州の採石場を拠点に石材サプライチェーンネットワークの確立を目指すという。

日本国内で根固め石を設置する場合は、ガット船で直投したりクレーン船で材料を瀬取りして投入する方法がありますが、風力タービン設置エリアには海底ケーブルが必ずある。したがって、アンカー係留する必要がある作業船ではケーブルを損傷させる恐れがあり、尚且つDP船には機動力で劣ることから日本国内でも建造されれば需要は十分ありそうな気がします。Jan De Nulの多目的船「Adhémar de Saint-Venant」みたいな感じがいいのかも。

根固石設置船(Subsea Rock Installation Vessel)の完成イメージ
出典:Ulstein
船名Acadia
長さ140.5m
34.1m
深さ10.7m
喫水7.0m
航行速力12ノット
推進スラスター2×2,500kW
格納式スラスター2×1,200kW
トンネルスラスター2×900kW
DPSDP2
船倉容量20,000トン
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