台風11号が浮体式デュアル洋上風力タービン「OceanX」を襲う
2024年9月8日、中国の明陽智能(MingYang Smart Energy)は、世界最大の単一容量となる16.6MW(8.3MW×2)浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」を台風11号「ヤギ」が襲来する様子をLinkedInで公開しました。
明陽智能の掲載情報によると、台風11号「ヤギ」は中心付近の最大瞬間風速が海南島上陸時点で62m/s。風力階級17(56.1~61.2m/s)を超える勢力でしたが、「OceanX」は無事だったという。以下、掲載文を翻訳したものを引用すると、”明陽の世界最大の単一容量浮体式風力タービン「OceanX」は、力強さと革新性の象徴として浮いていた。嵐の猛威にも動じず、「OceanX」は優れた台風対策機能を発揮し、高度で信頼性の高い洋上風力ソリューションに対する明陽のコミットメントを強化した” と述べています。
風力階級の風速
風力階級 | 風速(m/s) |
---|---|
0 | 0.0~0.2 |
1 | 0.3~1.5 |
2 | 1.6~3.3 |
3 | 3.4~5.4 |
4 | 5.5~7.9 |
5 | 8.0~10.7 |
6 | 10.8~13.8 |
7 | 13.9~17.1 |
8 | 17.2~20.7 |
風力階級 | 風速(m/s) |
---|---|
9 | 20.8~24.4 |
10 | 24.5~28.4 |
11 | 28.5~32.6 |
12 | 32.7~36.9 |
13 | 37.0~41.4 |
14 | 41.5~46.1 |
15 | 46.2~50.9 |
16 | 51.0~56.0 |
17 | 56.1~61.2 |
明陽智能のLinkedIn投稿
投稿に添付されているGIF画像の時刻は、2024年9月6日12時17分となっている。
巨大風力タービン「MySE 18.X-20MW」は大丈夫?
浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」は無事だったようですが逆に不具合が発生していた場合、ここまで迅速に情報を公開しないような気がする。台風の経路により近い位置に設置されているローター直径260m以上の巨大風力タービン「MySE 18.X-20MW」については情報が出ていないため、台風通過による影響がどの程度なのか、状態が気になる。
「MySE 18.X-20MW」は、海南省北部の臨高県にある海南臨高大型洋上風力タービン試験・イノベーションセンターに設置されており、「OceanX」と違って陸上に設置されています。設置完了が公表されたのは2024年8月30日。明陽智能の公式ウェブサイト上では ”台風に強く、風速79.8m/sに耐える” と記載されているのでスペック的には大丈夫なはず・・。しかし、相手は台風なので局地的な突風などによっては無事では済まない可能性も十分考えられる。
今後、公式に情報が発表されれば記事にしようと思いますが、何か起きていた場合は報道情報が先行で発表される可能性もありそう。台風は日本の洋上風力にとっても他人ごとでは無い自然現象と言える。
【動画】海南島に上陸した台風11号が猛威を振るう様子
この動画見ると台風11号に耐えた浮体式デュアル洋上風力プラットフォーム「OceanX」はスゴイと思う。逆に中国の高層住宅は大丈夫なのか不安になる。
中国南部の海南島に上陸した台風11号が猛威を振るう様子。高層マンションで窓が壊れるの怖すぎ😱観覧車のゴンドラがグルグル🎡pic.twitter.com/fzG3m5IyP4
— クレーン船.com (@crane1000com) September 8, 2024
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