四国の高知新港で進められている防波堤築造工事で、重量3,100トンという巨大ケーソンの設置作業が行われました。吊り上げを行ったのは3,700トン吊り起重機船「第50吉田号」。
重量3,100トン 高知新港で「第50吉田号」によるケーソン設置
高知新港で進められている南防波堤を延伸する工事で、重量3,100トンという巨大ケーソンの設置作業が行われました。作業を行ったのは㈱吉田組が所有する3,700トン吊り起重機船「第50吉田号」。
ケーソンの形状は、長さ14.8m、幅23.3m、高さ17.0m。重量3,100トン。
四国地方整備局では、高知新港を利用する貨物船などが安全に利用できるよう、高知新港に入る波の影響を低減する目的で防波堤の整備を進めている。今回、延伸を行う防波堤は「坂本龍馬像」のある桂浜の東側に延びる「南防波堤」で、将来的に高知市内を津波浸水被害から低減させるために推進している「三重防護」整備方針の第一ラインを構成する重要な防災設備のひとつ。平成22年度に1,000mが完成しましたが、その後も補強と延伸工事が進められており、1,300mまで延伸される計画。
国内で2番目に大きい起重機船「第50吉田号」
国内最大の起重機船は「海翔」ですが、3,700トン吊りの「第50吉田号」は深田サルベージ建設㈱の「武蔵」と並び国内で2番目に大きな起重機船。
2022年10月に海上作業を開始した五島市沖洋上風力発電事業では、ハイブリッドスパー型と呼ばれる洋上風車の浮体部分を建て起こした後に、風車タービンを設置するという、固定式大型起重機船で行うには難易度最高レベルの作業を行っていました。今回のケーソン設置で高知に来ているという事は長崎の「第50吉田号」が施工する部分は完了したという事なんでしょうか。
3,700トン吊り起重機船「第50吉田号」の概要
船名 | 第50吉田号 |
---|---|
吊上げ能力 | 3,700トン |
長さ | 110.0m |
幅 | 50.0m |
深さ | 8.5m |
建造年 | 1984年 |
所有会社 | 株式会社 吉田組 |
兵庫県姫路市に本社を置く株式会社 吉田組が所有する3,700トン吊り起重機船「第50吉田号」。1984年に建造。
特徴として、日本の大型起重機船TOP3の中で最もバックステーの高さが低く、ジブを8.7度まで倒すと起重機船全体の水面上高さを30mまで下げることが可能。橋の桁下高さによる通航制限により大型起重機船の中で「第50吉田号」しか入れないという場所が数多く存在する。ジブ角度66.5度から8.7度まで倒すのにかかる所要時間は2時間30分。
日本国内の大型起重機船3隻
先月は「神翔-1600」による作業も
2023年1月には、今回「第50吉田号」が吊り上げを行った同じ場所で寄神建設㈱の1,600トン吊りクレーン船「神翔-1600」によるケーソンの浜出しが行われていました。
製作ヤードから吊り上げられたケーソンは設置を行う戸原5号・6号突堤まで海上運搬され、数百トンクラスのクレーン船によって設置。砂浜の流出防止・拡大という目的で高知海岸の戸原5号・6号突堤では延伸工事が行われています。
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