中国が尖閣諸島の周辺海域で掘削リグによる活動発表、その後撤回
2023年9月21日、中国政府は天然ガスなどの資源を採掘する掘削リグを9月21~23日に尖閣諸島の周辺海域に曳航し活動すると発表しましたが、その後撤回。掘削リグが向かおうとしていた場所は、日中中間線を越えた日本の排他的経済水域内だったという。なぜ撤回したのか、理由については明らかにしていない。
さらに、報道されている情報によると曳航しようとしていた掘削リグは「勘探八号」(KAN TAN BA HAO)だという。
中国船級社(China Classification Society)の船舶登録情報によると「勘探八号」は、2022年9月に中国の大連船舶重工集団で建造。船体に搭載した3本のレグで自船をジャッキアップさせることが出来る構造なので、いわゆるSEP船。船体寸法は、全長98.71m、幅76m、深さ9.45m、レグ長さは不明。甲板上には掘削装置に加えて75トン吊りのクレーン3基を搭載。船主は、太平二十二號(天津)航運租賃有限公司(Taiping & Sinopec TJ22 Shipping Leasing Company Ltd.)。運航会社は、Sinopec Offshore Oilfield Services Company。
掘削リグ「勘探八号」(KAN TAN BA HAO)の概要
船名 | 勘探八号 |
船種 | Self-elevating |
総トン数 | 14,759トン |
長さ | 98.71m |
幅 | 76m |
深さ | 9.45m |
建造場所 | 大連船舶重工集団 |
建造年 | 2022年9月 |
「勘探八号」のAIS情報
掘削リグ「勘探八号」のAIS情報で現在位置を確認することが出来ました。
AIS情報のマップに日中中間線のラインをプロットしてみると、今のところ掘削リグ「勘探八号」は日中中間線ラインよりも中国側にいるようです。
そして、掘削リグ「勘探八号」のすぐ横には「华达」(HUA DA)という船名のタグボートがいました。恐らく掘削リグ「勘探八号」曳航用だと思われる。全長83m、幅21.99m、総トン数5,418トンなので、かなり大きなボート。建造は2013年ですが、中国船籍に変更されたのは2022年8月からのようです。
AISの航跡を見ると、9月20日午前2時頃に浙江省舟山市の港を出港して、平均12ノット程度の速力で航行し20日午後には掘削リグ「勘探八号」周辺に到着。航行速力から推測して曳航していたとは考えられないので単独で航行していたと思われる。
アンカーハンドリング サプライ タグ「华达」(HUA DA)の概要
船名 | 华达 (HUA DA) |
総トン数 | 5,418トン |
長さ | 83m |
幅 | 21.99m |
深さ | 9.02m |
建造年 | 2013年 |
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