浮体式洋上風力の建設システム確立に向けた技術研究組合の設立認可

出典:国土交通省ウェブサイト (https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001856848.pdf)
2025年1月16日、国土交通省は浮体式洋上風力発電の大量導入に向けた合理的な建設システム確立を図る技術研究組合の設立認可を発表しました。1月20日付で認可し、同日に霞が関の国土交通省 大臣応接室で認可書交付式をおこなう予定。
洋上風力発電は、再生可能エネルギーの主力電源化の切り札と位置づけられており、政府として2040年までに浮体式洋上風力発電も含む30GW~45GWの案件を形成することを目標としている。しかし、浮体式洋上風力発電については、大量導入やコスト低減の実現に向けて、海上施工全体の最適化を図ることが課題となっているという。
浮体式洋上風力発電の大量急速施工や合理的な建設コストを実現するための建設システムの確立を目的とした「浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)」の設立により、様々な関係者が連携し、浮体式洋上風力発電において最適な海上施工方法の確立が期待される。
国交省の報道発表によると、FLOWCONは五洋建設、東亜建設工業、東洋建設、日鉄エンジニアリング、若築建設、IHI運搬機械、住友重機械工業の組合員7社とカナデビア、JFEエンジニアリング、ジャパン マリンユナイテッドの賛助会員3社で構成されるという。
組合員
- 五洋建設
- 東亜建設工業
- 東洋建設
- 日鉄エンジニアリング
- 若築建設
- IHI運搬機械
- 住友重機械工業
賛助会員
- カナデビア
- JFEエンジニアリング
- ジャパン マリンユナイテッド
海上施工に関わる気象海象予測システムの開発
FLOWCONの研究目的は、浮体式洋上風力発電の大量導入に向けた合理的な建設システム確立を図るための ①大量急速施工の実現、②合理的な建設コストの実現。
研究内容は3つのワーキンググループ(WG)に分かれており、以下のような内容となっている。
- 浮体式洋上風力発電の合理的な建設システムに関する研究 【WG1】
- 海上作業基地に必要な技術開発 【WG2】
- 海上施工に関わる気象海象予測システムの開発 【WG3】
WG1、WG2に関しては、FLOWCONの構成会社からしても研究開発を進めていけば成果が上がりそうな内容。気になるのは、WG3の「海上施工に関わる気象海象予測システムの開発」。この研究内容だけは施工ではなく気象予測という畑違いの内容ですが、LiDARと呼ばれるレーザー光を用いたリモートセンシング技術による風況予測のようなものなのかもしれません。
LiDAR システムとは、Light Detection and Ranging(光による検出と測距)の略。光を用いたリモートセンシング技術の一つで、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離やその対象の性質を分析する。測定時に電波を使用するレーダーの技法に類似しており、電波をレーザー光に置き換えたものがLiDAR(ライダー)。近年は自動運転車用センサーとしても注目されている。
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