「Svanen」アップグレードに向けて拡張するガントリー部分製造
Van Oordの特殊杭打ち船「Svanen」アップグレードに向けた作業が着々と進められています。
2024年3月19日、Holland Shipyards Groupは「Svanen」アップグレードの主要部材となる拡張するガントリー部分輸送・組立作業の様子をLinkedInへ投稿しました。投稿に添付されている画像には、Bonn & Meesの起重機船「Matador 2」、「Matador 3」や陸上クレーンを使用して部材を輸送・組立する様子が紹介されています。
拡張するガントリー部分についてはHolland Shipyards Groupによって製造され、設置作業に高さ200mのMammoetのクレーンを使用予定であることがアップグレード発表時に公表されていました。
搭載作業は吊り上げ能力3,200トンの「PTC210-DS」を使用
Holland Shipyards GroupのLinkedIn投稿では、拡張ガントリーの部材をフリッシンゲンから運んだことは記載されていますが、どこへ運搬したかについては ”特別に準備された場所(specially prepared site)” としか説明されていません。
しかし、組立がほぼ完了した状態を映す画像では、特徴的なMammoetのオフィスビル「De Bolder」が確認できるため、スヒーダムで組立作業をおこなっているようです。そして、組立作業をおこなう場所からSEP船「Wind Orca」「Wind Osprey」アップグレードのためスヒーダムに設置された最大3,200トン吊りリングクレーン「PTC210-DS」を使用して「Svanen」への搭載作業を実施することが推測できる。
出典:Rob Oo from NL, CC BY 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by/2.0, via Wikimedia Commons
拡張ガントリー輸送・組立
起重機船「Matador 2」、「Matador 3」、運搬船「SENDO NAVE」のAIS情報およびHolland Shipyards GroupのLinkedIn投稿から分かる「Svanen」拡張ガントリー部材輸送・組立の流れは以下のような感じ。
- ①フリッシンゲンで運搬船への拡張ガントリー部材積み込み
400トン吊り起重機船「Matador 2」
- ②フリッシンゲン~スヒーダムへ部材運搬
運搬船「SENDO NAVE」、輸送距離約150km(約80海里)
- ③スヒーダムでの拡張ガントリー部材組立
1,800トン吊り起重機船「Matador 3」
- 今後の予定リングクレーン「PTC210-DS」を使用して「Svanen」への搭載作業
アップグレード完了後はポーランド沖の「Baltic Power offshore wind farm」で風力タービン基礎のモノパイル設置が予定されており、2024年第3四半期から運用開始予定。
オランダのフリッシンゲンにあるヤードから400トン吊り起重機船「Matador 2」と陸上クレーンにより運搬船「SENDO NAVE」へ拡張ガントリー部材を積み込み。その後、フリッシンゲンからスヒーダムへ約150kmを運搬。スヒーダムでは1,800トン吊り起重機船「Matador 3」を使用して組立。
Mammoetのリングクレーン「PTC210-DS」は、SEP船「Wind Orca」「Wind Osprey」のアップグレードをおこなっていましたが、リングクレーン南側で作業していたSEP船「Wind Orca」のアップグレードは既に完了しており、デンマークのエスビャウ港へ向けて出港していました。なので近いうちに「Svanen」への搭載作業がおこなわれるのかもしれません。
それにしても、大きなクレーンが遊ばないように仕事を埋める巧みなスケジュール管理調整がおこなわれている所に感心。今後、アップグレード作業の進捗が公開されれば記事でお伝えしますのでお楽しみに。
特殊杭打ち船「Svanen」のアップグレード内容
出典:Van Oord
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