HuismanがSEP船「Boreas」向けクレーンの出荷映像を公開
Huismanは、中国の山東省烟台市にあるYantai CIMC Raffles Offshore(烟台中集来福士海洋工程)で建造しているVan OordのSEP起重機船「Boreas」向けとなるメインクレーン出荷映像をLinkedInで公開しました。
SEP起重機船「Boreas」は2022年7月に建造が開始され、2024年5月に船体進水。その後、Van Oordは2024年7月29日にレグ設置完了を発表しており、その時点でメインクレーンは搭載された状態だったので、それより前にクレーン部材の出荷作業はおこなわれていたようです。
メインクレーンの吊り上げ能力は、3,000トン以上。このたびHuismanがLinkedInへ投稿した内容でも ”3,000+mt”(3,000トン超)という説明のみでした。実際、何トン吊りなのか気になる。
メインクレーンの製造は中国の福建省漳州市にあるHuisman Chinaでおこなわれ、今回公開された映像では旋回体およびAフレーム部分とブームをそれぞれ別の輸送船に積み込んで出荷する様子が公開されています。
SEP起重機船「Boreas」の建造タイムライン
- 2021年10月Van OordがSEP起重機船の建造を発表
Yantai CIMC Rafflesとの建造契約締結
- 2022年7月建造開始
Steel Cutting Ceremony(鉄鋼切断式)
- 12月起工式
Keel Laying Ceremony(起工式)
- 2024年5月進水
- 7月メインクレーンおよびレグ設置完了
- 2025年市場投入(予定)
積込作業には2,600トン吊り岸壁クレーン「Skyhook」(擎天吊)を使用
出典:Huisman
SEP起重機船「Boreas」向けとなるクレーン部材を輸送船へ積み込む作業には、Huisman Chinaに設置されている岸壁クレーン「Skyhook」(擎天吊)を使用しています。
岸壁クレーン「Skyhook」は背面側にぶら下げているスーパーバラスト(SB)と呼ばれる円筒形の巨大なカウンターウェイトを取り付けた状態で最大吊り上げ能力2,600トン。SBは着脱が可能で、SBを付けていない状態だと最大吊り上げ能力は1,200トン。吊り上げる吊荷の重量によって切り替えが出来るので作業性が向上し、効率アップにつながる。岸壁上に敷かれたレールを走行する「Skyhook」は、最大負荷の2,600トンを吊り上げた状態でも走行が出来るそうです。
Huisman Chinaでは、東洋建設が建造を予定している自航式ケーブル敷設船の250トン吊りハイブリッドブームクレーンおよび100トン吊りナックルブームクレーンを製造するということなので、それらのクレーン部材も「Skyhook」を使用し、輸送船への積み出し作業がおこなわれることでしょう。
SB | クレーン能力 | 作業半径 |
有り | 2,600トン | 30m |
無し | 1,200トン | 23m |
出典:YouTube | Huisman
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