SEP起重機船「电建志远」初作業で13MW風力タービン設置

2025年8月11日、中国電建集団港航建設有限公司は1,600トン吊りSEP起重機船「电建志远」(Dian Jian Zhi Yuan)の竣工後初となる風力タービン設置作業が完了したことを発表しました。
施工場所について、中国電建港航の掲載記事では ”在广东阳江海域风电场建设现场”(広東省陽江の洋上風力発電所建設現場)とだけ説明されています。「电建志远」のAIS情報を確認すると、三峡陽江青洲五と三峡陽江青洲七の間くらいにいたので、どちらを施工しているのかは不明。
ジャケット基礎に設置した風力タービンは、13MW。設置作業をおこなう海域の水深は50m。長さ119mのタワーは陸上で地組せず、3分割の状態からジャケット上で順に組立作業を実施。ナセル重量は459トン、ブレードは重量44.8トン、長さ118m。
中国電建港航は13MWの風力タービン設置完了について、SEP起重機船「电建志远」が大型洋上風力タービンの設置において優れた性能を発揮し、その後の建設に向けた貴重な経験を積むことにつながったことを示していると述べています。
「电建志远」「电建志高」2隻による同時洋上作業
SEP起重機船「电建志远」が13MW風力タービンを設置している後方で、ジャケット設置作業をおこなっているのは、3,600トン吊りクレーン船「电建志高」(Dian Jian Zhi Gao)。
2隻は2025年に竣工したばかりの新造船。同時に洋上作業をおこなうのは初めて。
画像を拡大してよく見てみると、気になる点が2つ
2隻の作業船が風力タービンとジャケットの設置をおこなう👆上の画像を拡大すると興味深い点が2つありました。
1つ目は、SEP起重機船の舷側に船幅を拡幅する張り出しを設置しているという点。中国以外のSEP起重機船でブレードを積み込む場合によく見るのは、船尾側で後方へ張り出し架台を取り付けて積み込む方法。どちらの方法も一長一短あると思いますが、今回の「电建志远」では風力タービンの部材を別の輸送船で運搬していると思われるので、その場合は甲板中央にブレードを積むという方法が施工しやすいのかもしれません。発想的に面白い方法だなと思いました。

2つ目は、SEP起重機船「电建志远」がブレードを吊り上げる治具で吊っている謎の物体。2枚目のブレードを取り付け終わっている状態で何かをおこなっているようですが・・何してるんでしょう?

1,600トン吊りSEP起重機船「电建志远」

出典:中国电建集团港航建设有限公司
船名 | 电建志远 |
クレーン能力 | 1,600トン |
揚程 | 177m(甲板上) |
長さ | 123.95m |
幅 | 48m |
深さ | 9.5m |
レグ長さ | 125m |
最大作業水深 | 70m |
DPS | DP2 |
船籍 | 中国 |
よく読まれている記事