沖合のSEP船へ輸送台船でタービン部材を運搬、作業映像公開

沖合のSEP船へ輸送台船でタービン部材を運搬、作業映像公開 洋上風力発電
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ジョーンズ法による制限下での風力タービン設置作業

アメリカのマサチューセッツ沖で建設が進められている洋上風力発電所「Vineyard Wind 1」。ジョーンズ法により拠点港において米国建造ではないSEP船甲板へタービン部材積み込みが出来ないという理由から輸送台船を使用した運搬がおこなわれています。輸送台船は、非自航船でDP非搭載という何の変哲もない普通の台船を使用し、部材を搭載する架台と吊り上げをおこなうクレーン側に対策を施して作業を実施。

 アメリカのジョーンズ法による洋上風力建設への影響

アメリカ国内の地点間における国内輸送(内航)をおこなう船舶を限定するジョーンズ法と呼ばれる法律。その要件には米国船籍、米国人配乗、米国人所有に加えて、他国には無い米国建造という要件が含まれており、洋上風力発電所建設時の大きな障壁となっている

ジョーンズ法の影響を受ける風力タービン設置作業では、SEP船など他国建造の設置船甲板に部材を積み込みして拠点港から設置場所へ運ぶことが出来ないため、ジョーンズ法に準拠した船舶で運搬する方法以外にも様々な対策が考えられている。

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実際に沖合で作業をおこなう様子

沖合でタービン部材を吊り取る時の対策設備を納入しているBarge Masterの動作補償プラットフォームSeaqualizeのリフティングデバイスについてはこれまでにも紹介しましたが、現場で実際にどこまで効果があるのか気になっていました。

このたび、リフティングデバイス「Heave Chief 1100」(HC1100)を納入したSeaqualizeのウェブサイトでは、作業の様子を映した画像と映像を公開。タービン部材を吊り取る画像に加えて、気になっていた部材への玉掛け・地切の様子が動画で掲載されています。

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公開されている作業に関する動画

「Vineyard Wind」でタービン部材輸送に使用した設備
輸送台船にGE製の13MW風力タービン「Haliade-X」を積んで運搬
出典:Barge Master

Seaqualizeのウェブサイトでは、11月16日時点で作業に関する動画が4本公開されており、3本はタワー部材吊り取り、1本はブレードラック吊り取りに関する動画になっています。

ブレード3本をラックで縦に積み上げているのは、運搬台船が港を出港する時の画像で確認しており、事前に吊具のスリングがセットされているのも理解していましたが、無人で玉掛けが完了する吊り治具がセットされているのは気付きませんでした。動画では再生速度が少し早くなっていて分かりにくいですけど、周囲に見える海面の様子から海象は穏やかな方だと思います。ですが、ジャッキアップして静止しているSEP船から浮いている台船を見ると結構な揺れを感じるという状態。

動画は吊具のセットまでという短いものでフック側の全景も見えませんが、その他の画像からリフティングデバイス「Heave Chief 1100」を使用した状態だと思われる。Seaqualizeの掲載記事でも説明されていますが、「Heave Chief 1100」は設備の特性上、平面的な動きには対応できません。しかし、上下の動きに注目するとフック側のピンのような部材とブレードラック側の受け材との間隔が波浪による揺れを感じさせない程、滑らかに一定の速度で近づいていくのが分かります。これはスゴイ。

ただ、ブレード自体が長尺で大きいことから吊り上げは、タワー → ブレード → ナセル という順序で吊り取りがおこなわれていたようです。玉掛けは無事でも地切の時に近接する資材と接触する可能性はありますが、ブレードを吊り上げる瞬間の動画は今のところ公開されていません。

ウェブサイトの動画はシェア出来なかったため、同じ動画をSeaqualizeのManaging Directorという職位の方がLinkedInに投稿していたので、そちらをシェアしたものがこちら👇。

タワー部材はミドル・ボトムを連結した背の高いものとトップ単独の少し低いものの2種類が台船に積まれています。どちらも吊り取り動画が公開されていますが、👇下の動画はタワートップの吊り取り。少し離れた位置からの全景なので効果を確認することは少し難しい。吊り取り作業自体は何の問題も無くスムーズにおこなわれており、「Heave Chief 1100」に加えて、Barge Masterの動作補償プラットフォーム「BM-Feeder」が使用されています。

Seaqualizeのウェブサイトでは他にも画像や動画が更新されているので気になる方は一度ご覧ください。ずっと気になっていた作業の様子を見ることが出来たので非常に満足しています。

リンク先 SEAQUALIZE | Seaqualize successfully executes first ever offshore transfer lifts on Vineyard Wind 1

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