昨年9月に米国連邦裁判所で下されたGEのHaliade-Xについて米国内での製造・販売を禁止するという裁定に関して判決から除外されていた「Ocean Wind 1」の特許使用料について、1MW当たり6万ドルの支払いを命じる判決が下された。
「Ocean Wind 1」の発電容量は1.1GW。特許使用料は6,600万ドル、日本円に換算すると約87億円にのぼる。
米国特許訴訟でGEに1MW当たり6万ドルの特許使用料を命じる判決
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GE must double payments to Siemens Gamesa in wind-turbine case, U.S. court says
(GEは風力タービンの訴訟でSiemens Gamesaに2倍の支払いをしなければならない、と米国の裁判所は言う)
GE must double payments to Siemens Gamesa in wind-turbine case, U.S. court says | Reuters
2022年9月に米国連邦裁判所で下されたGEのHaliade-Xについて米国内での製造・販売を禁止するという裁定に関して判決から除外されていた既存プロジェクト2件の「Vineyard Wind 1」と「Ocean Wind 1」の特許使用料。
「Vineyard Wind 1」に関しては1MW当たり3万ドルという特許使用料の支払いが命じられていましたが、今回の「Ocean Wind 1」に関して下されたのは1MW当たり6万ドルという特許使用料。「Vineyard Wind 1」の2倍となる特許使用料の支払いを命じる裁定が下された。
Siemens Gamesaは、既存プロジェクトについて特許使用料を支払うことでHaliade-Xの使用を許可する裁定がGE側に有利にはたらいている事を不服として、「Ocean Wind 1」の特許使用料を1MW当たり9万ドルに引き上げる申し立てを行っていた。
裁判所の判事も特許侵害をしているGEが特許使用料を支払った上で経済的利益を受けているというSiemens Gamesa側の意見に同意しており、補償するには1MW当たり6万ドルが妥当であると述べている。逆にGE側は特許使用料を増額することで「Ocean Wind 1」プロジェクトの実行可能性が脅かされるという主張をしていた。
「Ocean Wind 1」での特許使用料は約87億円
前回の1MW当たり3万ドルという特許使用料から6万ドルに倍増し、洋上風力発電所の発電容量も「Vineyard Wind 1」に比べて「Ocean Wind 1」の方が規模が大きい。計算してみるとGEがSiemens Gamesaに支払う特許使用料は6,600万ドル、日本円に換算すると約87億円という巨額に。確かにGE側の”プロジェクトの実行可能性が脅かされる”という言い分は理解できる。
GEがSiemens Gamesaに支払う特許使用料
洋上風力発電所 | 総発電容量 | 1MW当たりの 特許使用料 | 特許使用料 |
Vineyard Wind 1 | 806MW | 30,000ドル | 2,418万ドル (約32億円) |
Ocean Wind 1 | 1,100MW | 60,000ドル | 6,600万ドル (約87億円) |
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