半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」FPUの輸送完了
半潜水式重量物運搬船「BOKA Vanguard」が、洋上で原油・ガスの生産をおこなうFPU(浮体式生産ユニット)の輸送を完了したという。西アフリカ沖での廃止措置に伴い、係留を解かれた全長331.5mのFPUを自船の甲板に搭載して、解体処理を実施する船舶リサイクル施設へ輸送し、引き渡しが無事に完了。
全長331mのFPU「Zafiro Producer」
輸送をおこなったFPU「Zafiro Producer」の全長は331.5m、幅56m、深さ26.4m。元々は、1973年に日本の千葉県にある三井造船でVLCC(Very Large Crude Carrier)と呼ばれる超大型原油タンカーとして建造。1996年にVLCCからFPUへの改造がおこなわれ、その時に船名も「Zafiro Producer」へ変更されています。
船名 | BOKA Vanguard |
載貨重量トン | 116,175トン |
長さ | 275.0m |
幅 | 78.75m |
深さ | 15.5m |
最大デッキ深度 | 15.5m |
建造年 | 2012年 |
これまでに半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」が運んだもの
今回、FPU「Zafiro Producer」の輸送に成功したことを発表したBoskalisのLinkedInによる投稿では、これまでの「BOKA Vanguard」による実績がいくつか紹介されていました。どれも大きなものばかりで、普段は海に浮かんでいるものが巨大な「BOKA Vanguard」の船体に搭載される様子は、起重機船による吊り上げとは違う凄さがあり画像を見るだけでも十分楽しめます。
大型クルーズ船「Carnival Vista」(全長322m)
全長322m、幅48m、総トン数141,000トンの大型クルーズ船「Carnival Vista」。2019年にバハマの造船所で修理作業を行なうために、フローティングドックの代用として半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」が使用されたようです。
養殖船「Jostein Albert」
出典:Nordlaks
全長385m、幅59.5m、深さ37.75mの養殖船「Jostein Albert」。中国の山東省煙台市にあるCIMC Rafflesで建造され、そこからノルウェーまでの長い道のりを半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」に搭載して輸送。
新マニラ国際空港向けのケーソン6函(総重量93,000トン)
出典:Twitter | @capturismedia
フィリピンで建設中の新マニラ国際空港向けのケーソン6函(総重量93,000トン)。Boskalisの掲載情報によると半潜水式運搬船「BOKA Vanguard」がこれまでに輸送した中で最も重たいそうです。
9万トンのFPSO「PETROBRAS 67」
出典:Boskalis
重量9万トンのFPSO「PETROBRAS 67」。中国からブラジルまで輸送。
「Johan Sverdrup」処理トップサイド、輸送台船も一緒に輸送
出典:Boskalis
これは少し珍しいパターン。石油プラットフォームのトップサイドを積んだ輸送台船を「BOKA Vanguard」に搭載。韓国で製造したトップサイドをノルウェーに輸送。
輸送後の設置作業は、Allseasの「Pioneering Spirit」による設置作業がおこなわれています。最終的な設置時の重量は26,000トン。
出典:YouTube | Allseas
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