約400人乗船のクルーズ船が大波をかぶり停電、航行機器使用不可に
2023年12月21日、北海を航行していた全長136mのクルーズ船「MS Maud」が大きな波をかぶり、停電したため航行機器が使用できない状態に陥ったという。
クルーズ船「MS Maud」は乗客266人、乗組員131人の合わせて397人を乗せてノルウェーのフローレ(Florø)を出港し、イングランドのティルベリー(Tilbury)へ向かって航行していました。そして、北海沖を航行中に嵐による大きな波がブリッジ(船橋)を襲い、窓が割れて海水がブリッジ内部へ浸水。
クルーズ船のメインエンジンは動いたままだったようですが、ブリッジ内部に入った海水により停電。航行するために必要な電子機器が使用できない状態になり、結果として航行できない状態に。
その後、デンマークのEsvagtが所有するアンカーハンドリングタグ「ESVAGT SERVER」が航行不能に陥ったクルーズ船「MS Maud」のもとへ駆けつけ、曳航索をセット。ドイツのブレーマーハーフェン(Bremerhaven)へ向けて曳航しているという。
高性能な航行機器を搭載している船舶でも、停電により機器が無効化されてしまうと航行出来なくなるという恐ろしい事故。乗員乗客は無事だということですが、嵐の中で大きく揺れる船内にいたことを考えると緊迫した状況であったことが想像できます。
クルーズ船「MS Maud」
船名 | MS Maud |
総トン数 | 16,151トン |
長さ | 135.75m |
幅 | 21.5m |
速力 | 15ノット |
定員 | 570人 |
建造年 | 2003年 |
荒れ狂う海上での曳航索セット
航行不能に陥ったクルーズ船「MS Maud」を曳航するためには当然ですが曳航索をセットしなければならない。クルーズ船ブリッジの窓を破壊するほどの大波が荒れ狂う海域では、船舶同士を接近させるだけでも危険。そんな中、曳航索をセットする作業はとても困難なものだったようです。
報道されている情報によると、曳航索セットの試みは2度失敗に終わり、1度目の失敗から約10時間後の3度目でようやくセットすることが出来たという。
09.32 22nd Dec the challenging waters faced by tug trying to attach a tow line to MS Maud. These were quieter seas. They were eventually successful. I have nothing but admiration for these mariners. pic.twitter.com/JdIZvKxFjz
— Oscar Dog (@OscarWoofs) December 22, 2023
アンカーハンドリングタグ「ESVAGT SERVER」
船名 | ESVAGT SERVER |
総トン数 | 2,568トン |
長さ | 72m |
幅 | 16m |
深さ | 7.5m |
速力 | 15ノット |
船籍 | デンマーク |
建造年 | 2012年 |
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