Allseasが広船国際と半潜水式運搬船の建造契約締結


出典:Allseas
2025年9月10日、Allseasは中国船舶集団(CSSC)傘下の広船国際(Guangzhou Shipyard International)と半潜水式重量物運搬船の建造契約を締結したと発表しました。
新造船の船名は既に公表されており、「Grand Tour」と命名されるという。貨物を搭載する甲板スペースは、180m×57m、積載容量は4万トン。船体寸法は幅57m、長さは不明ですが貨物デッキの大きさを考えると全長200mは超えるものと思われる。
Allseasの掲載情報には半潜水式重量物運搬船「Grand Tour」の船体設計に関するいくつかの特長が挙げられていました。気になったのは、輸送効率向上、燃料消費量削減のために搭載される船体下部の空気循環システムというもの。空気を出す位置や量、そして燃料消費量削減の程度がどれくらいになるのか気になります。
半潜水式重量物運搬船「Grand Tour」は、2028年第1四半期に引き渡し予定。
- 積載容量4万トン
- 24,000m3/hの先進的なバラストシステムにより、安全かつ正確な積荷移動が可能
- メタノール対応の推進システムを搭載し、e-メタノールへの移行も可能
- 船体下部の空気潤滑システムにより抵抗を低減し、輸送効率を向上させ、燃料消費量を削減
- 180m×57mの貨物デッキは、直接スキッド、ロールオン/ロールオフ、フロートオン/フロートオフ作業に対応
「Pioneering Spirit」との連携

出典:Allseas
Allseasは、半潜水式重量物運搬船「Grand Tour」の建造について、船隊の汎用性を拡大し、よりスマートかつ戦略的に将来を見据えてプロジェクトを推進するという自社のコミットメントを強調するものだと述べています。半潜水式重量物運搬船として貨物を運搬することに加えて、Allseasが所有する「Pioneering Spirit」との連携を想定して設計されていることから ”汎用性拡大” と説明されているようです。
「Pioneering Spirit」の船首側には、トップサイドリフトシステム(揚重容量48,000トン)が搭載されており、スロットと呼ばれる開口が設けられている。スロット幅は59m、奥行き122m。現在、「Pioneering Spirit」の作業で運用されている輸送台船「Iron Lady」の船体寸法は長さ200m、幅57m、深さ13mとなっており、スロット幅59mに収まる設計。半潜水式重量物運搬船「Grand Tour」は、輸送台船「Iron Lady」と同様に「Pioneering Spirit」のスロット幅に収まるよう船幅57mで設計されているようです。
「Pioneering Spirit」

船名 | Pioneering Spirit |
総トン数 | 403,342トン |
長さ | 382m |
幅 | 124m |
スロット | 長さ:122m 幅:59m |
速力 | 14ノット |
宿泊設備 | 571人 |
トップサイドリフト容量 | 48,000トン |
ジャケットリフト容量 | 20,000トン |
搭載クレーン | 5,000トン |
船籍 | マルタ |
建造年 | 2014年 |
輸送台船「Iron Lady」
船名 | Iron Lady |
載貨重量トン | 89,312トン |
長さ | 200m |
幅 | 57m |
深さ | 13m |

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