DPS搭載の5,000トン吊り起重機船「三航翔安」進水
2024年3月29日、中国の江蘇省泰州市にある泰州口岸船舶有限公司で中交第三航務工程局有限公司(CCCC Third Harbour Engineering)向けに建造されているDPS搭載の5,000トン吊りジブ固定式起重機船「三航翔安」(San Hang Xiang An)が進水しました。
進水時点ではジブ未設置の状態。進水がおこなわれた場所は江蘇省泰州市の長江に面した造船所ですが、長江河口から約220km上流に位置しているため、ジブの設置作業に向けて長江河口に近い場所へ移動するものと思われる。
中国では自航式の大型クレーン船やSEP起重機船が多く建造されていますが、ジブ固定式の起重機船は少ないので非常に珍しい。日本国内で活躍している大型起重機船も「三航翔安」と同じようにジブが旋回せず、起伏のみの起重機船ですが、大きく異なるのは自航式でDPS(自動船位保持装置)を搭載しているという点。
DPSでの船体位置制御に加えてアンカー係留による位置決め装置も搭載しており、DPSとアンカーによる操船を組み合わせることで洋上作業の効率向上が見込まれるという。完成後は主に、洋上風力発電設備のジャケット基礎や洋上変電所の設置作業の他、洋上の大型設置作業に従事する予定。
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DPS搭載5,000トン吊りジブ固定式起重機船「三航翔安」
起重機船「三航翔安」の船体寸法は長さ178m、幅48m、深さ13.5m。最大吊り上げ能力5,000トンのクレーンは、2,500トン吊りのフックブロックを2基搭載。ジブ先端に取り付けられる補助フックは1,200トン吊り。それぞれ甲板上からの揚程はメインフック最大133m、補助フック最大150m。
船名 | 三航翔安 |
クレーン能力 | 5,000トン |
揚程 | 主フック:133m 補フック:150m |
長さ | 178m |
幅 | 48m |
深さ | 13.5m |
スラスター | バウ 3,000kW×2(船首) アジマス 2,500kW×3(船尾) |
DPS | DP-1 |
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