大金重工製造の「Thor」向けモノパイル最終便出荷
Dajin Offshore Heavy Industry(大金重工)はデンマーク沖の北海で建設予定の「Thor offshore wind farm」向けとなるTPレスモノパイル最終納入分の出荷を開始しました。
ドイツに本社を置く大手エネルギー会社のRWEが事業を進める「Thor offshore wind farm」はデンマークのユトランド半島西部にあるトースミンデ沖 約22kmの北海にSiemens Gamesaの風力タービン「SG 14-236 DD」72基を設置する予定。大金重工は72基のうち半数にあたる36基のモノパイル製造を受注しており、残りの36基はEEW SPCが製造。
中国の山東省煙台市蓬莱区にある大金重工の蓬莱生産基地で製造されたTPレスモノパイルの最終納入分10基は、半潜水式重量物運搬船「祥瑞口」(XIANG RUI KOU)に積まれ、2024年1月13日に輸送を開始。輸送先はデンマークではなくオランダのエームスハーヴェン。
2023年4月に優先サプライヤー契約締結を発表した大金重工の掲載情報によると、製造するTPレスモノパイルの長さは最大100m、重量は1,500トン。2024年1月に製造を開始し、2024年10月に初回納入分がエームスハーヴェンに到着している。
「Thor offshore wind farm」では2025年春から洋上作業を開始する予定。
アップグレードにより直径12mのモノパイル製造が可能に
大金重工はLinkedInの投稿で蓬莱生産基地のアップグレードが完了し、製造可能なモノパイルの最大直径が11.5mから12mになったことを明らかにしています。
最大直径に加えて、製造できる最大重量も2,500トンから3,000トンに強化。世界有数の洋上風力基礎メーカーである大金重工は、最先端の技術設備と広範な業界専門知識を活用して、超大型構造物を顧客に供給するのに適した立場にあると述べている。
アップグレード前 | アップグレード後 | |
年間製造能力 | 50万トン | ― |
最大直径 | 11.5m | 12m |
最大重量 | 2,500トン | 3,000トン |
最大長さ | 120m | ― |
「Thor offshore wind farm」の概要
ドイツに本社を置く大手エネルギー会社のRWEが事業を進める「Thor offshore wind farm」はデンマークのユトランド半島西部にあるトースミンデ沖 約22kmの北海で建設を計画。Siemens Gamesaの風力タービン「SG 14-236 DD」72基を設置する予定で、RWEが公開しているウェブサイトの情報では単機出力15WMとなっているので、パワーブーストにより出力が引き上げられるものと思われる。
洋上・陸上に各1基の変電所設置を計画。運転開始は2027年の予定で、発電した電力はデンマークの100万世帯以上に供給されるという。
2023年6月にRWEは、Jan De Nulの3,200トン吊りSEP起重機船「Voltaire」と5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」という次世代洋上風力設置船2隻の長期傭船契約を発表。そして、「Thor offshore wind farm」においてSEP起重機船「Voltaire」によるモノパイル設置を2025年に開始することが明らかにされています。傭船期間は同プロジェクト開始から5年以上。
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