DPSを搭載したロケット回収プラットフォーム「領航者」引き渡し

2025年11月30日、中国船舶集団(CSSC)傘下の広船国際(Guangzhou Shipyard International)が中国運載火箭技術研究院(China Academy of Launch Vehicle Technology)向けに建造したロケット回収プラットフォーム「領航者」(LING HANG ZHE)の命名・引き渡し式がおこなわれました。
中国運載火箭技術研究院は、中国航天科技集団公司(CASC,China Aerospace Science and Technology Corporation)の下部組織。
中国の報道情報によると、ロケット回収プラットフォーム「領航者」の実現可能性調査が本格的に開始されたのは2024年9月。同年12月に設計を完了し、2025年4月に改修を開始。7ヶ月間の改修期間を経て、命名・引き渡し。
- 2024年9月ロケット回収プラットフォームの実現可能性調査を開始
- 12月設計完了
- 2025年4月改修開始
- 11月命名・引き渡し
建造ではなく ”改修”?
ロケット回収プラットフォーム「領航者」は、中国船級社(China Classification Society)で船級登録されており、4年以上前の2021年7月21日に建造と記載されていました。なので推測すると、新造船ではなく改造船。そして、船種は ”Pontoon Barge” となっており、自航船ではなく非自航船として登録されている。
中国初の船級登録されたロケット回収プラットフォーム

出典:龙de船人
ロケット回収プラットフォーム「領航者」は長さ142m、幅38m、深さ9.1m、総トン数15,410トン、載貨重量トン数16,294トン。DP-2のDPS(Dynamic Positioning System:自動船位保持装置)を搭載している。
船体形状で特徴的なのは、舷側に張り出した箱状の部材。沖合でのロケット回収時、波浪による船体動揺を低減させるためのものかもしれませんが、改修船で非自航式という点からDPSのための格納式スラスターを収納している可能性もありそう。
船級登録されたロケット回収プラットフォームは「領航者」が中国初。
2025年8月に進水し、同年11月に引き渡しがおこなわれた星際栄耀航天科技集団(i-Space)のロケット回収船「星際帰航」(星际归航、Xing Ji Gui Hang)。こちらの方が少し早く引き渡しがおこなわれていますが、船級登録はされていないようです。



















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