ABSが洋上スペースポートの設計と建造に関する国際要件を公開
First Ever International Requirements for Offshore Spaceports Developed by ABS
(ABSによって開発された洋上スペースポートに対する史上初の国際要件)
https://news.cision.com/american-bureau-of-shipping/r/first-ever-international-requirements-for-offshore-spaceports-developed-by-abs,c3761137
ABS(アメリカ船級協会)は、2023年5月1日から4日までアメリカのテキサス州ヒューストンで開催されているOffshore Technology Conference (OTC)の初日、洋上スペースポート(offshore spaceports)の設計と建造に関する初の国際要件を発表しました。
一連の要件に関して、宇宙ロケット業界をリードするロケットの打ち上げや回収を行う企業との経験に基づき作成しているとし、洋上資産の安全な設計と建造という側面から急成長する宇宙ロケット産業を導くと述べています。これまでに宇宙船の打ち上げまたは回収を行う洋上スペースポートの運用に関する要件は無く、今回ABSの発表が初となる。
昨年6月にABSは、海上でのブースターロケット回収に使用する自律型ロケット回収用ドローンシップの遠隔操作機能を評価するため、SpaceXとの共同開発プロジェクトを発表している。
洋上スペースポート 構築と分類の要件
要件に対応する洋上スペースポートのタイプとして文書の中で4つが挙げられており、これらに該当しない他のタイプについてはケースバイケースで検討を行うとしている。
船体構造の種類で分けられた4つのタイプ。ちょっと分かりにくいのが、”Column-Stabilized Units”と”Offshore Installations Units”。
Column-Stabilized=コラム安定化という意味で打ち上げプラットホーム「Ocean Odyssey」のような半潜水型の船体のこと。”Offshore Installations Units”は、恐らく自航式の船体構造を持つ作業船を意味していると思われる。
洋上でのロケット打ち上げ・回収をおこなう洋上スペースポートで重要なのは、安定性。その視点から言うと「The Spaceport Company」が開発に取り組んでいる既存のSEP船を改造して移動式海上発射プラットフォームとして利用する方法は有効と言えそう。ただ、ジャッキアップするので水深により発射エリアが制限されてしまうのが難点。
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