ASEAN首脳会談の最中、インドネシアで元日本のフェリーが火災
2023年9月6日午前10時50分頃(現地時間)、インドネシアのジャワ島西部にある港に係留していたフェリー「MUTIARA BERKAH I」で火災が発生。ちょうど同じ頃、火災が起きた港からおよそ100km離れたインドネシアの首都ジャカルタでは、第26回ASEAN首脳会議が開催されていた。
報道されている情報によると、フェリー「MUTIARA BERKAH I」は港で乗客や車両などの乗船が完了し、出港準備が整った直後に火災が発生したという。事故当時、フェリーには車両135台と乗員乗客合わせて159人が乗っており、5人が病院に救急搬送されたそうです。
事故原因については、今後調査されるということですが、フェリーに積まれた車両が火災原因となった可能性が高いとみられている。
アクロバットな乗客の避難方法
火災発生後、陸上の消防車と海上の船から消火活動がおこなわれ、消火活動の様子とともに船内から避難する乗客を映した動画がYouTubeにアップロードされています。その避難方法が、かなりアクロバットで驚き。
その避難方法とは、フェリーの横にクレーンを持ってきて、乗客がいるフェリーの甲板上に向かってブームを倒し、そのブームを渡って乗客を避難させるという方法。かなりリスクの高い危険な避難方法ですが、緊急事態なので何人もの乗客がブームを渡って避難する様子が映されていました。体の不自由な方や子供、お年寄りなど、この方法で避難することが出来なかった方もたくさんいたと思われる。
なぜ、普通に乗船したところから避難しないのか?そんな疑問が生まれますが、船尾側の陸上にランプウェイが設置されている場所は火災発生場所に近かったようで、激しい煙が上がっていたようです。避難通路として使用できる状態では無かったみたい。
出典:YouTube | Def Haryance
フェリー「MUTIARA BERKAH I」、昔は日本で運航していた
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フェリー「MUTIARA BERKAH I」を調べてみると、2017年まで日本で運航していたようです。
元船は、1994年に竣工した「フェリーあざれあ」。「フェリーしらかば」とともに1994年に新潟港-小樽港航路に就航。就航時は総トン数、最大幅ともに日本最大だったそうです。その後、敦賀港-新潟港-秋田港-苫小牧東港の寄港便へ配船され、2017年3月13日に引退。
2022年11月にも同じように、日本で就航していた「おーしゃんいーすと」が売船されてインドネシアに渡り、バリ島沖で火災が発生する事故が起きています。この時は、消火活動による大量の放水で船体が大きく傾き、車両など115台を乗せたままフェリーは転覆しました。幸い犠牲者は出ず、全員無事。
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