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石垣沖の座礁船撤去が台風の影響で期間延長、来年5月に完了見込み

石垣沖の座礁船撤去が台風の影響で期間延長、来年5月に完了見込み 事件・事故
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石垣沖の座礁船撤去が台風の影響で期間延長、来年5月に完了見込み

2023年8月15日、沖縄県の八重山合同庁舎で開催された石垣沖の座礁船撤去作業に関する説明会で撤去期間が3ヵ月延長され、2024年5月までかかることが明らかにされました。報道されている情報によると、期間延長の要因は台風6号の影響で座礁船の船体が分断され、船尾部分が傾いたことで解体に時間がかかるという。

パナマ船籍の貨物船「XIN HAI ZHOU 2」は2023年1月24日、石垣島に向かっていたところ強風により流されて沖縄県の竹富島沖で座礁。中国人の乗組員19人は、海上保安部のヘリコプターによって全員が救助されましたが、船体は日本最大のサンゴ礁海域である「石西礁湖せきせいしょうこ」に座礁し、破損した船体からは積荷のヤシガラ流出が確認され、サンゴ礁や周辺海域への環境被害が懸念される事態となっている。

座礁船の撤去作業は2023年7月中旬に開始されており、当初工程では2024年2月に撤去完了予定でした。

【当初工程】貨物船「XIN HAI ZHOU 2」撤去工程
  • 2023年
    7月13日
    撤去作業開始

    船体軽量化のため、積荷や搭載物を撤去

  • 12月までに
    船尾部分の撤去
  • 2024年
    1月までに
    船首部分の撤去
  • 2月
    撤去完了(当初予定)

8月3日には石垣市で最大瞬間風速37.7m/sを観測

7月28日にフィリピン東の海上で発生した台風6号は、勢力を強めながら北上し沖縄付近を通過して一旦は中国大陸に向かうような経路でしたが、8月4日に東へ進路を変え再び沖縄付近を通過して九州西側を北上するという、まさに迷走台風といった経路を辿っていました。そのため、沖縄付近では台風6号の滞在時間が長期化して土砂崩れや家屋の浸水、停電など多くの被害が報告されています。

石垣島周辺には、8月2日から3日にかけて最接近しており、その時の中心気圧は935hPa、最大風速45m/s、大型で非常に強い勢力でした。付近では久米島空港で42.2m/s、宮古島で39.0m/s、石垣市で37.7m/sの最大瞬間風速が観測されています。

2023年台風6号の経路図
出典:気象庁ホームページ(台風経路図 令和5年
付近で観測された最大瞬間風速
  • 久米島空港 42.2m/s
  • 宮古島 39.0m/s
  • 石垣市 37.7m/s
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船体の分断は8月4日に発見

座礁船の分断が確認されたのは、8月4日朝。石垣海上保安部の巡視船が台風被害状況の確認で航行していたところ、発見したという。

台風襲来以前から破損した船体から積荷のヤシガラ流出は確認されていましたが、流出していたのは3つある貨物船倉のうち2つだけで、1つは流出していない状態だったという。ただ、今回の台風6号による船体分断により、全ての船倉から積荷の流出が確認されているそうなので表面上には見えない部分でも被害は拡大していることが分かる。

積み荷のヤシガラおよそ9000トンはほぼ全てが海に流れ出ましたがサンゴに大きな影響はないそうで、地元の漁協関係者などが回収作業を行っているということです。

琉球放送(2023年8月16日(水) 11:26) | https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rbc/664949

燃料油や作動油とは異なる固形のヤシガラが流出してすぐに影響が出るようなものではない事は理解できますが、堆積した状態で長い時間が経過すると何らかの影響は出てきそうな気もします。

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座礁船の撤去方法

船体が分断する前に計画されていた船体分割位置と撤去方法
(※画像は座礁事故以前に撮影されたもの)
出典:MarineTraffic.com | Sergei Skriabin

当初計画されていた撤去方法は、積荷や搭載設備を撤去した後に船尾ブロックをその場で解体して運搬し、船首ブロックは浮上させて撤去するというものでした。

しかし、これまで積荷が流出していなかった船首側の船倉からもヤシガラの流出が確認されたことで船首ブロックを浮上・曳航させることは難しくなった可能性がある。報道されている説明会の内容では撤去期間延長に関して、船尾ブロックが傾いたことにより解体に時間がかかるという事でしたが、船首ブロックの撤去方法変更も期間延長の要因になっているように思います。仮に撤去方法を変更せず浮上・曳航をおこなう場合も、破損した船首ブロックの水密措置や浮力確保に当初想定以上の時間を費やすことになる。

時期的に今後も台風襲来の可能性は高く、現場状況が二転三転することが予想されます。着手の遅さを悔やんでもしょうがないので、無理のない方法で撤去作業が進むことを期待するしかない。

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