パイプライン敷設船「JSD 6000」竣工

パイプライン敷設船「JSD 6000」竣工 起重機船、クレーン船
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パイプライン敷設船「JSD 6000」竣工

2024年5月31日、Saipem は中国の上海市長興島にある上海振華重工業(ZPMC)で5,000トン吊りクレーンを搭載したパイプライン敷設船「JSD 6000」が竣工したことを発表。

船体設計は Ulstein が手掛けており、同社の「ULSTEIN SOC 5000」カスタマイズバージョンとして「Seven Borealis」、「Aegir」に次いで3隻目にあたるという。

「JSD 6000」の船体寸法は長さ215.9m、幅49m。メインクレーンには、NOV製の5,000トン吊りクレーンを搭載。399人分の宿泊設備があり、航行速力12ノットの自航式でDP3のDPS(自動船位保持装置)を備えている。パイプラインの敷設設備はS-lay方式とJ-lay方式の両方に対応しており、比較的水深の浅い場所での施工に適したS-lay方式では最大径36インチのパイプライン敷設が可能。J-lay方式のパイプライン敷設では、ムーンプールを介したIHCのJ-layシステムにより最大径60インチ、最大水深3,000mの施工が可能。

パイプライン敷設 S-lay方式とJ-lay方式

パイプラインの敷設方式は大きく分けて2種類あり、S-lay方式J-lay方式。その名称は、パイプラインを敷設する時の形状がアルファベットのSJに似ているところに由来。

S-lay方式は、船上で敷設するパイプが水平に近い状態で置かれるため、復数箇所での溶接作業が可能。水深の浅い海域で、小径のパイプ敷設に使用されることが多い。

J-lay方式は、船上で敷設するパイプが鉛直に近い状態で置かれるため、パイプの溶接は1箇所に限定され、溶接速度が敷設速度を大きく支配する。大水深の海域で、大径のパイプ敷設に採用される。

S-lay方式とJ-lay方式
出典:Wikipedia | Par Lusilier – Travail personnel, CC BY-SA 3.0, Lien

2024年6月中にSaipemが長期傭船を開始する予定

Saipem のプレスリリースによると、Saipem は ZPMC とパイプライン敷設船「JSD 6000」の長期傭船契約を締結しており、2024年6月には船体が Saipem に引き渡されるという。締結した傭船契約期間は5年間で、さらに1年間の期間延長オプションが2回付帯しているということなので、この契約での最長傭船期間は7年。契約は船員を含まない船のみを傭船する裸傭船(bareboat charter)という形態。

パイプライン敷設船「JSD 6000」

船名JSD 6000
クレーン能力5,000トン
長さ215.9m
49m
船籍バハマ
建造年2024年
パイプライン敷設船「JSD 6000」竣工
パイプライン敷設船「JSD 6000」
出典:Saipem
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