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メキシコ湾で「Balder」によるモノポッド、トップサイド設置

メキシコ湾で「Balder」によるモノポッド、トップサイド設置 起重機船、クレーン船
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メキシコ湾で「Balder」によるモノポッド、トップサイド設置

2024年4月5日、Heerema Marine Contractorsは所有する6,300トン吊りクレーン船「Balder」により、イタリアの石油・ガス会社Eniが開発を進めるメキシコ湾のTecoalli油田でモノポッドとトップサイドの設置が完了したことをLinkedInの投稿で明らかにしました。

設置重量はそれぞれ、モノポッド 752トン、トップサイド 520トン。モノポッドを設置した後、打設している固定用の基礎杭は重量不明ですが、画像に映っている杭のマーキングは61mまで確認できます。下端から約18m上の位置にマーキングの0があるので、杭の全長は約80m。

基礎杭を建て込む画像では、厳しい海象条件の中で輸送台船から長尺杭を吊り取る様子が映されています。既に建て込んでいる1本目の杭は海面高さでマーキング数字が20mなので、モノポッド下端が海底に着底していれば杭の根入れは15m以上ありそう。それにしても、これだけの長さがある杭をまとめて建て込むと打設効率が良いとはいえ、波浪の影響でモノポッドごと倒れてしまいそうで少し怖い。

メキシコ湾で「Balder」によるモノポッド、トップサイド設置
モノポッド基礎杭建て込み状況
出典:Heerema Marine Contractors
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6,300トン吊りクレーン船「Balder」

Heerema Marine Contractorsが所有するクレーン船「Balder」の最大吊り上げ能力は、6,300トン。搭載されている2基のクレーンは同一ではなく、違いがある。右舷(Starboard)に搭載されているクレーンは3,600トン吊り、左舷(Port)に搭載されているクレーンは2,700トン吊り。

船体寸法は長さ154m、幅86m、深さ42m。SSCV(Semi Submersible Crane Vessel)と呼ばれる船体深さが大きい半潜水式という船体形状。自航式で4,400kWのプロペラ2基と3,500kWのアジマススラスター7基を搭載し、DPSはIMO(国際海事機関)のClass 3に相当するDP(AAA)。

船名Balder
クレーン能力右舷:3,600トン
左舷:2,700トン
タンデム:6,300トン
総トン数75,374トン
長さ154m
86m
深さ42m
喫水11~25m
推進器2×4,400kW
スラスターアジマス 7×3,500kW
DPSDP(AAA)
(IMO Class 3相当)
甲板強度10トン/m2
積載容量8,000トン
宿泊設備394人
建造場所三井造船(現 三井E&S)
建造年1978年6月
各船級協会のDPS階級

クレーン船「Balder」の建造場所は日本

Built in Japan in 1978 Balder was the first of the two semi-submersible crane vessels (SSCVs) ordered by Heerema. The vessel and sister Hermod changed the offshore construction industry forever!

(Balder は 1978 年に日本で建造され、Heerema が発注した 2 隻の半潜水クレーン船 (SSCV) のうちの最初の船でした。 この船と姉妹の Hermod は海洋建設業界の未来を変えました。)

https://www.heerema.com/heerema-marine-contractors/fleet/balder

Heerema Marine Contractorsのウェブサイトでは、クレーン船「Balder」の紹介ページに「Balder」と「Hermod」の2隻が日本で建造されたと書かれています。

クレーン船「Balder」は、イギリスの船級協会ロイド・レジスター(Lloyd’s Register)で船級登録されています。建造情報を調べてみると、1978年6月16日に日本のMitsui Eng. & SB. Co. Ltd.(三井造船、現 三井E&S)で竣工。

Heerema Marine Contractorsと言えば、世界最大の20,000トン吊りクレーン船「Sleipnir」を所有している事でも知られていますが、そんな世界的企業の歴史において大きなターニングポイントと言える最初の半潜水式クレーン船2隻が日本で建造されていた事を知ると、何だか誇らしい気持ちになります。

残念ながら「Hermod」は廃船となり、2018年11月に中国の浙江省 舟山市で解体されていますが、同時期に建造され45年以上が経過した「Balder」はまだまだ現役!

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