函館市恵山岬沿岸で座礁したタンカー「さんわ丸」から重油流出
2025年1月8日、北海道函館市の恵山岬沿岸で座礁したタンカー「さんわ丸」から燃料の重油が漏れているのが確認されました。
タンカー「さんわ丸」が座礁したのは、1月6日18時ごろ。翌日の7日には日本サルヴェージの「航洋丸」が現場に到着し、離礁に向けた作業が実施されましたが船体を曳き出すことは出来ず。1月8日朝になって燃料の重油が漏れているのが発見され、乗組員がオイルフェンスを設置。転覆のおそれは無いということですが、船体がわずかに傾き始めたことから、海上保安部は乗組員11人のうち7人を救助し、残る4人は引き続きタンカーの離礁作業にあたるという。
1月9日以降も状況を見ながら離礁に向けた作業を進める方針。
座礁位置に近い苫小牧港の波浪観測データ
タンカー「さんわ丸」が座礁した函館市恵山岬に近い苫小牧港沖の波浪観測データによると、燃料の重油流出が確認された1月8日に日付が変わったあたりから波が高くなっていることが確認できました。
座礁後から翌日の1月7日は波高0.5m程度だったのが1月8日には波高1mを超えており、最大で波高1.55m、周期13秒という状況。
波浪によって座礁した船体部分の損傷が大きくなったことで燃料の重油が流出したものとみられる。報道情報によると、タンカー「さんわ丸」にはA重油のタンクが2つあり、積載量は合計約59kL。タンク1つの残量が測定不能で、破損して中身が漏れた可能性が高いという。
座礁の原因は?
タンカー「さんわ丸」のAIS情報によると、1月6日13時ごろに北海道苫小牧を出港して秋田に向かって航行していました。AIS航跡で急な針路の変更が確認できるのは苫小牧出港からおよそ5時間後の18時ごろ。航行してきた針路から180度ターンするような航跡を残して恵山岬沿岸に突っ込んだようです。
速力は13~14ノット。確認できる座礁直前の1月6日18時13分の位置で速力は13.2ノット。この位置から座礁位置までは約2海里(約3.7km)なので、13ノット程度でそのまま航行していたとすると、およそ10分後に座礁。
離礁作業が困難な状況であることからもかなりの速力で座礁したことが想像できますが、なぜこのような座礁事故が起きたのか、原因が気になります。
タンカー「さんわ丸」の概要
船名 | さんわ丸 |
総トン数 | 3,919トン |
載貨重量トン | 4,999トン |
長さ | 104.95m |
幅 | 16m |
深さ | 8.3m |
船籍 | 日本 |
建造年 | 2018年10月 |
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