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陸自ヘリ事故 分離した機体を大型ネットに載せ海底から回収へ

陸自ヘリ事故 分離した機体をネットに載せ海底から回収 事件・事故
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機体回収に向けた作業船2隻が現場海域に到着

陸自ヘリ事故 機体回収の船2隻が到着 あすにも作業開始か

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230428/k10014052801000.html
陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った海域のAIS情報(4月29日15時 時点)

 沖縄県宮古島周辺で陸上自衛隊員10人が乗ったヘリコプターが消息を絶った事故で、報道されている情報によると、4月28日、現場周辺の海域に機体の回収を行う作業船2隻が到着したという。

 現場海域のAIS情報を見ると、ROV母船としてメインで作業をおこなう「新世丸」の他に民間の作業船は日本サルヴェージの「航洋丸」、オフショア・オペレーションの「かいゆう」が確認できた。海上自衛隊の掃海艇「とよしま」も近くにいることが分かる。

 NHKの報道では、機体回収にあたる作業船2隻として「新世丸」と「航洋丸」が紹介されおり、映像でとらえられた「新世丸」には、ROV(遠隔操作型無人探査機)の他に船尾部分に大型のネットのようなものが積まれ、「航洋丸」には大型のウインチが据えられていた。

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分離した機体をネットに載せ海底から回収へ

自衛隊ヘリ事故 機体回収に向け準備始まる 大型ネットを海中へ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230429/k10014053581000.html

 4月29日、民間の作業船による機体の回収に向けた現場海域での準備開始。

 午前8時過ぎ、「新世丸」からROVが海中に投入され、搭載しているカメラで機体の状態や周囲の状況を確認する作業が始められた。午前11時半頃には、船尾部分に積まれていた大型のネットを海中におろしていく様子が報道されている。

水深106mの海底には3つに分離した機体

陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH-60JA」に機体の分離が想定される位置を加筆したもの
出典:Wikipedia | Toshinori baba – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0リンクによる

 水深106mの海底で発見された機体は、墜落時の衝撃によるものかどうかは不明ですが損壊しており、大きく分けて胴体、操縦席、尾翼に分離した状態になっているという。

 機体の回収方法は、「新世丸」から海におろした大型のネットを海底で広げ、回収する機体を吊り上げてネット上に置き、機体をネットで包むようにして引き揚げるというもの。

大型ネット=モッコで機体回収

 報道では ”大型のネット” と言っていますが、いわゆるモッコ。大きさに大小があり今回の回収作業ではかなり大きなものが使われていますが、モッコ自体は一般的に使用されている。モッコは、通常の玉掛けが難しい吊荷などで使われることが多く、包み込むような状態になることで吊荷とモッコの接触する面積が増加し、吊荷自体の荷重が分散され、吊り上げる時の破損を最小限に抑えることが出来る。モッコにもいろいろな種類があり、ネット部分の材質が繊維ロープやワイヤーロープだったり、強度のある布地でシート状になっているものなど様々。今回使用されているモッコは、映像を見る限りワイヤーロープのモッコに目の細かいシート状のモッコを合わせたものでした。

 分離した状態の機体回収には、胴体・操縦席・尾翼それぞれについて、一連の作業が繰り返されるとのこと。1回の作業で準備から回収にかかる時間は1日から2日程度を要し、すべての作業が終わるまでには数日かかる見込み。

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大型ネット上に回収する機体を置く作業が肝になる

 機体回収の作業方法から最も重要でリスクが高いのは、海底面から機体をいったん吊り上げて広げた大型ネット上に置くという作業になりそう。というのもこの時点では、機体に何らかの方法で玉掛けして吊り上げなければならない。水中重量で気中よりも機体にかかる負担が低減されているとはいえ、吊り上げ時に機体を破損させる可能性が高くなる。

 逆に言うと大型ネット上に回収する機体を置くことが出来れば、かなり後の作業に安心感が持てると言えるのかもしれない。

 ただし、大型ネットで包んだ機体を回収する作業も簡単という訳では無く、海上の波浪による船体の動揺や複雑と言われる潮流の影響など、2次災害にもつながりかねない危険ポイントはいくらでもある。刻一刻と変化する現場の中、冷静な判断で慎重な作業をおこなう必要がある。

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行方不明者の捜索は引き続き継続

 4月18日に見つかり、まだ引きあげられていない隊員とみられる1人について、自衛隊は作業の状況に応じて引きあげる方針を示しており、4人の行方不明者に関しても発見されれば迅速に引きあげが出来るよう、機体の回収作業にあわせ「飽和潜水」ができる設備を搭載した艦艇を現場海域に戻すとのこと。

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