海に沈んだ船を引き上げる5つの方法

海に沈んだ船を引き上げる5つの方法 事件・事故
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 目次 

1.海に沈んだ船を引き上げる意味
  1-1.総トン数と排水トン数
  1-2.乗用車を吊上げることを想像してみよう
2.過去の引き上げ事例
  2-1.九州南西海域工作船事件の工作船引き上げ(水深90m)
  2-2.「セウォル号」引き上げ(水深44m)
  2-3.「南海一号」引き上げ(水深20m)
  2-4.「光進丸」引き上げ(海面付近)
  2-5.「F-35C」引き上げ(水深3,800m)

海に沈んだ船を引き上げる意味

 海難事故により沈んだ船を引き上げるという行為は、事故の物的証拠である船体を確認する為にも必要不可欠なことです。

 引き上げる方法はケースバイケースで、現場の状況に合わせた方法が採用されますが、過去の引き上げ事例を確認することで見えてくる未来もあります。

 過去の引き上げ事例を確認する前に最低限知っておきたいことをいくつか押さえておきましょう。

総トン数と排水トン数

 ーーー 船体を海の底から引き上げる ーーー

 通常の状態であれば海に浮かんでいる船体を海底から何らかの吊具を使用して吊上げるということは簡単では無い。海に浮かんでいるからそんなに重たくないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。例えば、下の画像の船の重量はどのくらいだと想像しますか?船体寸法は全長65m、幅15m。

 答えは1,330トン(満船時)。空船時でも1,000トン以上あります。

 この船の重量1,330トンのことを排水トン数と言います。

 ちなみにこの船の総トン数は942トン。あまり船の事を知らない方は間違えてしまいますが、総トン数は船の重さではありません。

 船舶検査証に総トン数の記載はありますが、船体の重量を表す排水トン数の表記はありません。総トン数は重量ではなく容積を表しています。軍艦以外の一般的な船舶の大きさを表すトン数は総トン数のことを指す。

乗用車を吊上げることを想像してみよう

 例えば船ではなく、乗用車をクレーンで吊上げなければならない場合、どうやって吊上げますか?

 いろんな方法があると思いますが、思い付き易いのは車体の下に吊具を通して吊上げる方法。吊上げるのは可能かもしれませんが、吊具にかかる車の重量で車体を損傷してしまう恐れがあります。通常の状態だと車はタイヤで車体重量を支えているので、タイヤ以外の部分に車体重量がかかると凹んだり破損する可能性が高い。最悪の場合は、吊具が滑って吊り上げた車がバランスを崩して落下するかもしれません。

 したがって、タイヤに重量がかかるような状態で吊上げる事が出来れば車体の損傷を抑える事が出来るという事になります。例えば下の画像のような吊り方。

 強固な鋼材の上に車を載せて鋼材を吊上げる方法。車の強度に依存することなく、安全に車を吊上げる事が出来ます。

 船を引き上げる場合も同じように、船体を損傷することなく安全な方法で吊上げる必要があります。何か別の強固なものに載せて船体を吊上げるという方法は「セウォル号」引き上げの時にも採用されました。

次へ:過去の引き上げ事例

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