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八戸港で座礁船撤去準備を進めていた「海翔」が無念の出港

八戸港で座礁船撤去準備を進めていた「海翔」が無念の出港 事件・事故

 1年以上前になる2021年8月11日、強風により座礁した木材チップ専用船 CRIMSON POLARIS(クリムゾン・ポラリス)の船尾部撤去のため八戸港で準備を進めていた「海翔」のタイムリミットが来て無念の出港となるようです。

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八戸港で座礁船撤去準備を進めていた「海翔」が無念の出港

 2022年10月23日に八戸港へ到着した日本最大の起重機船「海翔」船団は、CRIMSON POLARIS(クリムゾン・ポラリス)の船尾部撤去のために準備を進めていましたが、次の予定が入っているため無念の出港となるようです。入港後、何度か撤去を試みるためにチャレンジはしていたようですが、作業が出来る海象状況ではなく中止になっていました。

世界の中心は八戸港ではない

 今回の荒天により作業が出来なかったことに関しての報道記事を見ると、機械トラブルではなく天候により撤去作業が進まなかったのにも関わらず、起重機船や撤去作業を指揮している企業が悪いようにもとれる文面。

 結果だけをみると「海翔」に関しては空振りに終わり、出費だけが増えたかもしれません。ただ、撤去を試みる微妙な天候があったくらいですから、荒天を予測して手配しないという選択は全知全能の神様でしか不可能でしょう。

 そして次の仕事に向かう「海翔」に撤去が終わるまでいて欲しいと言わんばかりの感じ。恐らく今回の事故による撤去作業のような保険適用される作業は通常の請負工事とは違い常傭工事として扱われることが多く、出来高に関わらず所定の金額が発生する。なので企業としては「海翔」を引き続き撤去作業に向けて待機させておく方が儲かる可能性は高い。

 では、なぜ次の仕事に向かうのか?

 「海翔」のように日本に数隻しかいない大型起重機船になると他の作業船による代替えが不可能。そして、ほとんどの作業が数カ月、年単位で前もって計画された作業ばかり。行く先々の現場が数カ月、数年かけて施工・準備してきた集大成の日ということは少なくない。

 逆の立場になって考えると分かり易い。「海翔」の到着を待っている側の気持ちになって考えると、予定しているのに来ないという理不尽さがよく分かる。次の仕事が決まっているのに引き留めるという事は普通出来ない。

 八戸港沖に座礁した木材チップ専用船 CRIMSON POLARIS(クリムゾン・ポラリス)の撤去作業を終わらせたいと思っている気持ちは、関わっている全員が同じ気持ち。次の機会に向けて抜かりなく準備を進めるしか方法は無い。

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