富山市岩瀬浜沖で座礁の貨物船から救助要請、乗組員全員救助
2024年1月25日、富山市岩瀬浜から沖合約200mで座礁していた貨物船「DONG YU」から救助要請があり、海上保安部を通じて航空自衛隊小松救難隊のヘリコプターが出動し、乗組員13人全員を富山空港に搬送。救助された乗組員13人にケガ人はいないという。
報道されている情報によると、座礁した貨物船「DONG YU」船内の発電機が動かなくなり、非常用発電機も動かないとして乗組員から救助要請があったそうです。そして、貨物船は当初座礁した位置から東に200メートル流されていて、左舷に10~12度傾斜した状態だという。今後も座礁した状態が継続するようであれば船体が横転し、船内の油が流出するという事態に発展する可能性はある。
船体が傾斜する程の浅瀬に座礁しており、消波ブロックが近くにあることから水面下で船体が損傷しているということも十分考えられる。天候が回復した後、離礁前に船体損傷や船内への浸水状況、付近海域の水深などを確認した上で離礁作業が進められるのではないでしょうか。
船体に大きな損傷が見られない場合でも、太平洋側や瀬戸内海に比べて干満の差が小さい日本海側では満潮時刻に合わせて船を曳き出すという方法が効果的ではない。そのため座礁船を離礁させるためには、船倉に積まれている積荷をおろし、浮力を確保して喫水を小さくするなど準備作業が必要になるかもしれない。
座礁から救助要請までの6日間
貨物船「DONG YU」が座礁したのは1月19日午前6時半頃なので救助要請するまでに6日間が経過していたことになる。国土交通省港湾局 全国港湾海洋波浪情報網 ナウファスで閲覧できる波浪実況データを見ると、救助要請があった1月25日から急激に波高が上昇。上記のグラフでは風速データが無いので現場海域の状況を完全に把握することは出来ませんが、何日間かは波高1m以下という日もある。
報道でも、船主が手配したタグボートにより移動させる作業を試みていたという情報があるので離礁に向けたチャレンジはやっていたようですが良い結果には結びつかなかったみたい。何とか周辺海域への環境被害が出ないように迅速な対応で離礁作業が進むことを願うばかり。
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