トルコのKarpowershipは、ウクライナ国営エネルギー企業のECU(Energy Company of Ukraine)とウクライナのエネルギー危機緩和に向けた電力供給協力についての覚書に署名。国際機関と協力して500MWの電力導入に向けた開発で合意。
Karpowershipがウクライナへ発電船による電力供給協力で覚書
2023年1月26日、トルコのKarpowershipは、ウクライナ国営エネルギー企業のECU(Energy Company of Ukraine)とウクライナのエネルギー危機緩和に向けた電力供給協力についての覚書に署名。
Karpowershipは、世界で36隻、6,000MWの浮体式発電設備(発電船)を所有・運営するトルコの企業。1隻当たりの発電容量は30MWから470MWの範囲。発電設備を船に搭載しているという利点を生かし海上を移動して陸上送電網に接続することで早期の電力供給が可能。
ウクライナでは、ロシア軍による攻撃により電力インフラ施設が破壊され、各地で大規模な停電が続いており、今回の覚書では500MWの電力供給について導入に向けた開発を行うことで合意。送電されれば、100万世帯以上の電力をまかなうことが出来るそうです。
Karpowership と ECU は、モルドバとルーマニアの沖合に発電船を係留し、最寄の送電線から電力を送電してウクライナの送電網に接続することを検討。両者はモルドバ、ルーマニア当局と協力して実行可能性について検証しているそうです。出来るだけ早急に実現して欲しい。
ウクライナに対する発電機の供与
ウクライナに対する発電機の供与|外務省 (mofa.go.jp)
日本政府も国際協力機構(JICA)を通じてウクライナに発電機237台を寄贈しています。厳しい冬の寒さにあるウクライナの人々の命を守るための支援。我々の現在の生活から電気が無くなるという事は想像しにくいですが、ありとあらゆる場面で生活に支障が出るので生きていけるかどうか危ういレベルになってしまう。
Powership 発電船について
Karpowershipが保有しているPowership(発電船)は発電容量や船型により5つのクラス(階級)に分類されている。多くは自航できるタイプのようですが、中には非自航式のタイプもある。最も発電容量の大きい「Khan Class」になると船の全長が285m~300mと巨大になるので、港内に係留しようと思うとそれなりの設備が無いと厳しそう。
ウクライナへ電力を供給する発電船は沖合に係留が検討されているというのも、そういった理由からかもしれません。荒天時に係留設備が破損する恐れがあり、荒天予報のたびに沖合へ移動させるとその間に電力の供給が出来なくなるので、最初から沖合に係留。
階級 | 発電容量 (MW) | 長さ (m) | 幅 (m) | 自航 |
Khan Class | 415 ~ 470 | 285 ~ 300 | 45 ~ 50 | 〇 |
Shark Class | 110 ~ 240 | 160 ~ 240 | 20 ~ 32 | 〇 |
Orca Class | 200 ~ 260 | 135 ~ 140 | 42 | × |
Seal Class | 34 ~ 40 | 84 | 18 ~ 22 | 〇 |
Mermaid Class | 34 ~ 80 | 90 ~ 110 | 25 | × |
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