中国を除いて、世界的に洋上風車大型化に伴う設置船不足に陥る問題が徐々に近づく。
アメリカでは、設置船不足というボトルネックに加えてジョーンズ法という障害がさらに立ちはだかっている。
果たして今回開発された新たなモノパイル設置船は、ボトルネックを解決するものになるのでしょうか?
新発想のモノパイル設置船
アメリカに拠点を置く「Bleutec Industries」は、オランダの「PENTHUS」と新しいモノパイル設置船の実現に関する合意に達したことを明らかにした。
PENTHUSは、米国に本拠を置くBleutec Industriesと最初の新しいモノパイル設置船の実現に関する合意に達したことを明らかにできることを誇りに思います。この船はジョーンズ法に完全に準拠しており、2024年時点で新しい風力発電所の開発で米国の海域で運航されます。
プレスリリース(penthus.nl)
プレスリリースが行われたのは、アメリカにとって特別な日である7月4日。独立記念日。
「Bleutec Industries」、「PENTHUS」及びアメリカの「Netsco」は、既存のWTIV(Wind Turbine Installation Vessel、洋上風力設置船、一般的にはSEP起重機船を指す)がジョーンズ法により、利用できないことによって引き起こされるボトルネックを解決するための代替ソリューションを開発。
コンセプトはBinary Marine Installation Solution
コンセプトは ”BMIS(Binary Marine Installation Solution)” 。まぁ見ただけでは、意味は分かりません。これ見ただけで意味が理解できる脳になりたい。
PIVとWTIV-Light
BMISは、基礎設置用(PIV、Piling Installation Vessel)と風力タービン設置用(WTIV-Light)の2隻の設置船で構成されている。
このPIVとWTIV-Lightは、簡素化され専門性を抑えて設計されており、まだアメリカでWTIVの建造実績が無い造船所でも幅広く建造できることがアピールポイントだそうです。
重量物の取扱に特化するモノパイル打設と揚程が必要になる風車本体の設置を分けて考えるあたりの目の付け所は良いと思うんですけどね。
PIVについては、モノパイルを打設することに特化しているので施工的には良いかもしれませんが、積み込むときに事故が起きそうですね。1連のサイクルを総合的にみると従来のSEP起重機船又はDP性能を持つ大型クレーン船に勝てる要素は無さそうな気がします。
アメリカ、バイデン政権が掲げている洋上風力発電の導入目標は2030年までに30GW。日本政府の導入目標は2030年までに10GWなので、日本の3倍ですね。
よく読まれている記事