笠戸湾で台船の曳船にプレジャーボートが衝突して沈没、3人死亡
2024年11月17日午前5時45分ごろ、山口県下松市笠戸湾で台船曳航中のタグボート「第38住吉丸」とプレジャーボート「弥生」が衝突する事故発生。
報道されている情報によると、衝突によりプレジャーボートに乗船していた4人が海に投げ出され、そのうち1人はタグボートに救助されましたが、残る3人は行方が分からない状態に。その後、意識不明の状態で1人が搬送され、午前7時50分ごろには沈没したプレジャーボートの船内から別の1人を意識不明の状態で発見。2人は搬送先の病院で死亡を確認。9時45分ごろ、漂流していた最後の1人が発見され、その場で死亡が確認されたという。
台船を曳航していたタグボート「第38住吉丸」には2人が乗船していましたが、ケガ人はいない。「第38住吉丸」は総トン数19トン、長さ16m、幅5mで小型船舶に分類されますが、衝突後に沈没したプレジャーボートは総トン数1.6トン、長さ約7mでさらに小さい。タグボート「第38住吉丸」が曳航していた台船は長さ60m。
プレジャーボート「弥生」の衝突先がタグボート「第38住吉丸」の船体または曳航中の台船、タグボートと台船を繋ぐ曳航索のどこなのか、そして、事故後の映像に映るタグボート「第38住吉丸」は台船に横抱きしていますが、衝突時にその状態だったのか、それとも曳航していたのかということも不明。
タグボート「第38住吉丸」は小型船舶ですがAIS情報を確認することが出来ました。衝突の直近データと思われる笠戸大橋を通過した後の午前5時35分時点で速力は5.5ノット(時速約10km)。
衝突事故が起きた現場海域の天候は曇りでほぼ無風、波やうねりはなかったという。
衝突原因としてプレジャーボートの前方不注意という可能性が高いように思われますが、1つ気になるのは衝突が日の出前の時刻に起きているという点。日の出前の夜間であることに加えて、曇りで月明かりが遮られた暗闇だった事を考えると、タグボート「第38住吉丸」および曳航物件の台船に海上衝突予防法で定められた灯火を表示していたのかという点は重要なポイントになりそう。
リンク先 国土交通省 海難審判所 | 航行中のえい航船等 海上衝突予防法 第24条
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