積荷のウッドチップ流出で国内最大規模のサンゴ礁海域が被害
2023年1月24日に沖縄県の竹富島沖で座礁したパナマ船籍の貨物船「XIN HAI ZHOU 2」は、事故から3カ月以上が経過した現在も座礁したままとなっている。
報道されている情報によると船内に積まれていた燃料の抜き取りは完了しているとのこと。しかし、座礁した貨物船には1万トン以上のウッドチップが積荷として積まれており、座礁時に破損した船体からおよそ4千トンの積荷が海に流出した可能性があり、海底に堆積しているという。
貨物船が座礁した場所は、石垣島と西表島の間に広がる南北約15km、東西約20kmに及ぶ「石西礁湖」と呼ばれる日本最大のサンゴ礁の海域。座礁時に船体がサンゴ礁に直接接触したことで破壊されたり、積荷のウッドチップが流出して海底に体積することによるサンゴ礁へのダメージなど海面上からは見えない水面下での被害が拡大している。
座礁した貨物船「XIN HAI ZHOU 2」撤去の予定
座礁した貨物船撤去に向けた動きは一応進めらているようで、5月上旬には国際競争入札により座礁した船体や積荷を撤去する業者が選ばれるという。ですが、そこから撤去に向けた準備が本格的に行われるので、最終的な撤去はさらに数カ月以上かかる見通しだそうです。
なので台風シーズン前に撤去を完了させるのは、厳しい状態。さらなる被害拡大が懸念され、どのようなプロセスで撤去交渉が進められているのかが分からないだけに、現状の被害状況や今後予想される被害の拡大を考えると進捗の遅さに歯がゆい気持ちになる。こういった事態を軽く考えさせない為にも船主や運航会社には国際的な枠組みでペナルティーを科すことが必要なのかも。
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