建造中の重量物運搬船に搭載するクレーン部材出荷
SAL Heavy Lift が中国で建造中のOrca-classと呼ばれる重量物運搬船に搭載するLiebherr製800トン吊りクレーンの旋回コラムが輸送船に積み込まれ、ドイツのロストックから中国へ出荷されました。
輸送のために部材を積み込んだのは、SALの重量物運搬船「LISA」。この船に搭載されているクレーンは、400トン×2基と船首側に120トン×1基。こちらも結構な大きさですが、比較して見ると800トン吊りの方が確かに大きい。
重量物運搬船「LISA」のAIS情報を確認すると、ロストックで積み込みを終えて出港したのは5月24日。その後、フィンランドで2カ所に寄港し、6月13日の時点ではオランダの港にいました。中国への到着はまだまだ先のようです。
出典:SAL Heavy Lift
新造船のOrca-classは中国で建造中
2022年9月にSAL Heavy Liftは「Orca Class」と呼ばれる4隻の新造船建造契約を中国のWuhu Shipyard(蕪湖造船廠有限公司)と締結したことを発表しています。発表時の予定では、2024年半ばに2隻、2025年前半に2隻が完成する見込みだったので間もなく2隻が完成する予定。
最初に完成する2隻は、風車タービンメーカーのSiemens Gamesa Renewable Energyと長期的な専属契約をおこなっており、完成後は風車部材の運搬を中心に運航する予定となっている。
Orca-classの重量物運搬船
出典:Jumbo-SAL-Alliance
Orca-classと呼ばれる重量物運搬船は、800トン吊りクレーンを2基搭載し、タンデムリフトで1,600トンの吊り上げ能力に加え、23,600m3という船倉と10t/m2の強度をもつハッチカバーを備えている。他にもデュアルフューエルエンジン搭載で、メタノールを代替燃料として使用可能。環境にも優しい設計。
全長は149.9m、幅27.2m、載貨重量トン数は14,600トン。コンパクトな外形寸法でありながら、クラス最大級のボックス型シングルカーゴホールドを採用。ケーブルカルーセルなど大型で超重量の貨物を積み込む場合、ハッチカバーを開いた状態で収容し、航行することが出来る仕様になっている。クレーンの台座は11mありますが、クレーンを含む水面上の高さ、エアドラフトは約38mに抑えられており、橋の下や架空制限がある航路でも有利。
新造船の「Orca Class」4隻に搭載する8基の800トン吊りクレーンはLiebherr製。
長さ | 149.9m |
幅 | 27.2m |
深さ | 16.7m |
喫水 | 8.5m |
載貨重量トン | 14,600トン |
クレーン能力 | 800トン×2基 タンデム 1,600トン |
耐氷性能 | 1A (Finnish / Swedish) |
速力 | 18.5ノット(最大) |
出典:Jumbo-SAL-Alliance
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