インド沖で火災のコンテナ船「WAN HAI 503」曳航索接続

インド沖で火災のコンテナ船「WAN HAI 503」曳航索接続 事件・事故
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インド沖で火災のコンテナ船「WAN HAI 503」曳航索接続

2025年6月13日、インド沿岸警備隊(Indian Coast Guard)はインド南西部のケララ州沖で火災により漂流するコンテナ船「WAN HAI 503」に対し、タグボートの曳航索接続をおこない曳航を開始したことを発表しました。

コンテナ船「WAN HAI 503」で積荷のコンテナが爆発し、火災が起きたのは6月9日。スリランカのコロンボ港を6月7日に出港し、インドのナバ・シェバに向かって航行中に事故が発生。コンテナ船「WAN HAI 503」には乗組員22人が乗船しており、救命ボートから18人の乗組員が救助され、そのうち5人が負傷。そして、4人の乗組員が行方不明となっている。

コンテナ船「WAN HAI 503」は、2,128トンの燃料と危険貨物を含む数百個のコンテナを積んでおり、2次爆発の恐れがあるなかで、火災鎮火に向けた船舶放水やヘリコプターから4,000kgのDCP(ドライケミカルパウダー:消火剤)空中投下がおこなわれ、デッキ下と船体中央部には依然としてホットスポットが残っているものの火災の大部分は鎮火。

漂流するコンテナ船「WAN HAI 503」を曳航する試みはこれまでに2度おこなわれ、このたび3度目の曳航索接続で曳航を開始。曳航の目的は、どこかの港へ移動させるという訳ではなく、風と波の影響で徐々に海岸へ接近しているコンテナ船を沖合へ引き離すため。

インド沿岸警備隊がSNSに投稿している内容によると、ヘリコプターでコンテナ船「WAN HAI 503」へ隊員を降ろしたのは沖合20海里(約37km)の位置。オーシャンタグボート「OFFSHORE WARRIOR」による曳航索接続がおこなわれ、6月14日のSNS投稿時点でコンテナ船「WAN HAI 503」は海岸から沖合35海里(約65km)の位置におり、今後の決定があるまで海岸から50海里(約93km)以上離されるという。

ヘリコプターからコンテナ船「WAN HAI 503」へ隊員が降下する様子
出典:X | Indian Coast Guard(@IndiaCoastGuard

火災の状況

爆発による火災が発生した6月9日の時点では、船体中央の船首寄りから激しく黒煙が上がっており、爆発により吹き飛んだとみられる飛散したコンテナが確認できる。一方、6月13日に曳航を開始した時点で火災はほぼ鎮火しているようですが、船橋から船首に渡り積まれているコンテナの広範囲に延焼の痕がみえる。

【動画】6月9日~11日

【動画】6月13日

【動画】ヘリコプターから消火剤を空中投下する様子

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コンテナ船「WAN HAI 503」

船名WAN HAI 503
総トン数42,532トン
載貨重量トン51,300トン
コンテナ積載量4,252TEU
長さ268.8m
32.2m
深さ19.2m
船籍シンガポール
建造年2005年10月
コンテナ船「WAN HAI 503」
出典:MarineTraffic | Hans Rosenkranz
DNVに登録されているコンテナ船「WAN HAI 503」のRegister of Ship
  • Owner(船主):Wan Hai Lines (Singapore) Pte Ltd
  • Manager(管理会社):Wan Hai Lines (Singapore) Pte Ltd
  • Shipbuilder(建造):China Shipbuilding Corporation
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