ルーマニアで建造している東洋建設のケーブル敷設船建造情報
2025年2月28日、東洋建設向けに自航式ケーブル敷設船(建造番号:NB 980)を建造しているVARDは船体後部の進水をおこなったことを明らかにしました。
VARDがLinkedInに投稿した進水の様子を映した動画を見ると一目瞭然ですが、進水をおこなったのは船橋部分より後方の船体のみ。少し珍しい方法で建造がおこなわれているようです。
掲載されている情報によると、進水がおこなわれたのはルーマニアのVARD Brăila Shipyard。進水後、3月2日に船体後部の曳航を開始し、3月末までにVard Tulcea Shipyardで前方の船体部分と接続する作業がおこなわれるという。
2024年9月に船体後部の進水をおこなったVARD Brăila Shipyardで起工式(Keel Laying Ceremony)がおこなわれており、その時点での完成・引き渡し時期は2026年上半期の予定。
東洋建設向けの自航式ケーブル敷設船は、イタリアの造船会社フィンカンティエリ傘下のVARDによる船体設計で ”VARD 9 15” を採用。長さ150m、幅28mの船体は日本の自然条件に最適な仕様となっており、水深の浅い海域から深い海域まで幅広いエリアで高い稼働率の作業が可能。
Huisman製の250トン吊りハイブリッドブームクレーン及び100トン吊りナックルブームクレーンを搭載。搭載予定のクレーン2基は東洋建設の要望を満たす設計になっており、日本海事協会(ClassNK)の規定に従い認証を受ける予定。クレーンの製造場所は、中国の福建省 漳州市にあるHuisman China。
建造タイムライン
- 2023年12月建造契約締結
建造契約時点で引き渡し予定は2026年上半期
- 2024年7月建造開始
VARD Brăila ShipyardでFirst Steel Cutting Ceremony実施
- 2024年9月起工式
起工式(Keel Laying Ceremony)
- 2025年2月船体後部の進水
【動画】船体後部を進水する様子
自航式ケーブル敷設船の概要
総トン数 | 19,000トン |
長さ | 150m |
幅 | 28m |
深さ | 12m |
喫水 | 7m(最大) |
ケーブル容量 | 9,000トン |
甲板面積 | 2,500m2 |
宿泊設備 | 90人 |
DPS | Class 2 |
クレーン | 250トン、100トン (動揺低減機能付き) |
その他の設備 | ヘリデッキ 4点係留装置 2×ROV システム バッテリー蓄電 |

出典:TOYO CONSTRUCTION
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