中国電力建設向け洋上風力設置船2隻竣工
南通振華重型装備制造有限公司(Nantong Zhenhua Heavy Equipment Manufacturing)が中国電力建設(PowerChina)向けに建造していた洋上風力設置船2隻が竣工。
竣工した2隻は、3,600トン吊りクレーン船「电建志高」(Dian Jian Zhi Gao)と1,600トン吊りSEP起重機船「电建志远」(Dian Jian Zhi Yuan)。主に洋上風力関連の設置作業に従事する予定ということですが、「电建志高」は洋上変電所の基礎やトップサイド設置および風力タービン基礎の設置作業に適しており、「电建志远」は風力タービンの設置作業に適している。
中国電力建設の掲載情報によると、「电建志高」は最大25MWの風力タービン基礎設置、「电建志远」は最大20MWの風力タービン設置が可能だという。
中国の報道記事では洋上風力向けの大型クレーン船とSEP起重機船という組み合わせを ”双子座” に例えて紹介しています。一対の洋上工事における ”双子座” は、最高の運転効率と総合設置能力を備えた風力発電設置船の組み合わせの1つとした上で、より深い海における洋上風力発電の大規模開発を推進する中核設備となると書かれています。
風力タービン設置に特化したSEP起重機船は、施工場所の海象条件や要求される施工精度を考えると風力タービン設置作業に不可欠。一方で大型化する風力タービンの施工に必要なクレーンの揚程を満足しながら、同時に大型化によって重量が増加する基礎をSEP起重機船1隻で取り扱うとなると非効率な作業船を建造することにつながる。重量の大きな風力タービン基礎の施工をSEP起重機船から切り離し、設置船構成を考えることは正しい判断だと思う。
半潜水式バージ「汉拿山」による進水作業
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出典:龙船风电网
「电建志高」と「电建志远」それぞれの進水作業は2024年5月と9月に実施されましたが、両船ともに半潜水式バージ「汉拿山」(HAN NA SHAN)を使用。
船名 | 汉拿山 |
総トン数 | 48,320トン |
載貨重量トン | 25,173.7トン |
長さ | 199m |
幅 | 61m |
深さ | 6.8m |
建造年 | 2016年5月 |
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3,600トン吊り自航式クレーン船「电建志高」
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出典:龙船风电网
船名 | 电建志高 |
クレーン能力 | 3,600トン(船尾固定) 3,000トン(旋回) |
揚程 | 130m(甲板上) |
長さ | 182m |
幅 | 49m |
深さ | 15m |
DPS | DP1 |
定員 | 100人 |
船籍 | 中国 |
1,600トン吊りSEP起重機船「电建志远」
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出典:龙船风电网
船名 | 电建志远 |
クレーン能力 | 1,600トン |
揚程 | 177m(甲板上) |
長さ | 123.95m |
幅 | 48m |
深さ | 9.5m |
レグ長さ | 125m |
最大作業水深 | 70m |
DPS | DP2 |
船籍 | 中国 |
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