ユニークなデザインの浮体構造物、亀の形をした水上都市「Pangeos」は長さ550m、幅610m、最大喫水30mというとんでもない大きさ。実際に建造される可能性はまだ低そうですが、巨大な船体を建造するための建造場所が検討され、候補地が挙げられているそうです。
巨大水上都市「Pangeos」
イタリア人のデザイナー、ピエールパオロ・ラッザリーニ(Pierpaolo Lazzarini)による構想。特徴的なウミガメのような形をした巨大な水上都市「Pangeos」。
その船体はとても大きく全長は550m、幅610m。中央部分の喫水は最大で30m。
プロペラは前足の部分に各3基、後ろ足の部分としっぽの部分に各1基で計9基搭載していて5ノット(時速約9km)の速度で航行する設計。
船体は約30,000のセルと呼ばれる仕切りのある区画を集合させたもので構成されており、スペースを様々なブロックに分割することが可能でレイアウトと設備の面で無限の可能性を生み出すことができる。宿泊施設は最大で60,000人を収容可能。
船内にはホテル、ショッピングセンター、公園など様々な施設が搭載される予定。
しっぽの部分には船舶の乗り入れが可能なゲートが設置されており、中央部分の水面に船でアクセスすることが出来る。他にもヘリコプターの離発着が可能な設備も搭載されている。
かつて地球に存在したとされる「パンゲア大陸」
水上都市「Pangeos」(パンゲオス)の名前の由来になっているのは、2億年以上前の地球に存在したとされる超大陸「パンゲア大陸」(Pangaea)。ユーラシア、アフリカ、南北アメリカ、インド、オーストラリア、南極の諸大陸が約2億年前に分裂し、移動を開始する前につくっていたと考えられる超大陸。 大陸移動説の提唱者A.L. ウェゲナーによって名付けられた。
「パンゲア大陸」(Pangaea)という名前は、古代ギリシャ語のpan(全ての、全体の)とGaia(ガイア)に由来。
水上都市「Pangeos」を建造する造船所を建造
あまりにも巨大な水上都市「Pangeos」を建造する造船所が現時点では無いようです。なので造船所の建造から着手しないといけないという。プロジェクトの壮大さが理解できますね。
造船所を建設する場所の検討はされているようで、候補地はサウジアラビアのキングアブドラ港から2kmの場所。
水上都市「Pangeos」を建造するドックのサイズは650m×600m。そして完成後の進水にそなえてドックの海側を1km2という広範囲に渡って浚渫。最大喫水が30mなので浚渫量はかなりのボリュームになってしまいそうですね。
プロジェクトの構想では造船所の設立が2033年に設定されています。
ただ全体のプロジェクトにかかる費用は約80億ドルが必要と見積もられていて、日本円に換算すると約1兆1200億円(1ドル=140円として換算)。
壮大な計画で夢があるプロジェクトなので実現して欲しい気持ちですが、この途方もない金額の出資が集まるとは思えないので現実的ではなさそう。
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