全長57m、重量2,050トンの橋桁を3隻のクレーン船で設置

全長57m、重量2,050トンの橋桁を3隻のクレーン船で設置 起重機船、クレーン船
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全長57m、重量2,050トンの橋桁を3隻のクレーン船で設置

可動部分が跳ね上がった状態のハーリングフリート橋
出典:Wikipedia | Door kees torn – Haringvlietbrug, CC BY-SA 2.0, Koppeling

2023年7月3日、オランダのホランス・ディープ川に架かるハーリングフリート橋で老朽化に伴う橋の可動部分を交換する作業がおこなわれ、無事に完了。新しく設置された橋桁の重量は2,050トン。その橋桁を設置したのは、オランダの Bonn & Mees Drijvende Bokken BV が所有する起重機船「Matador」「Matador 2」「Matador 3」の3隻。

設置する橋桁の片側は1,800トン吊りの「Matador 3」1隻で、もう片側は400トン吊りの「Matador」「Matador 2」2隻で挟み込むようにして吊り上げ。この時、「Matador 3」の船首側喫水は6m近くまで沈み込み、事前に施工エリアの浚渫をおこなう必要があったという。

最終的に橋桁を設置する位置付近では周囲のスペースが1.5cmの隙間しかなく、橋桁の周囲にガイド材を取り付けて位置を誘導する方法で施工をおこなったようです。

作業を実施した日の朝は風が強かったという。ただ、風向きが良かったということなので地形的に波が立ちにくい北寄りの風だったのかもしれない。最終的に作業の”GO”がかかったのは午前10時。ギリギリまで判断を熟慮した上での決断、3隻による相吊りなので一度吊り上げてしまうと輸送台船上に無傷で戻すことは非常に難しい。

施工をおこなった起重機船を所有するBonn & Mees Drijvende Bokken BVは、この手の重量物設置作業に関して”達人”と呼ばれるプロフェッショナルですが、今回の厳しい施工条件は彼らにとっても特別だったそうです。

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既設可動部の撤去時も3隻による相吊り

既設可動部の撤去(重量:1,860トン)
出典:Hollandia Infra

既設可動部の撤去は、新設可動部の設置からさかのぼること18日前の2023年6月16日におこなわれています。重量は1,860トン。吊り上げた起重機船は設置時と同じ構成の3隻「Matador」「Matador 2」「Matador 3」。

既設可動部の橋桁は約60年間使用されたそうです。

既設可動部の撤去(重量:1,860トン)
出典:Hollandia Infra
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「Matador」「Matador 2」「Matador 3」

船名MatadorMatador 2Matador 3
クレーン能力400トン400トン1,800トン
長さ45.08m45.08m70.00m
20.10m20.10m32.00m
深さ3.6m3.6m6.00m
建造年1970年1976年2002年
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