5,000トン吊りクレーン船「Aegir」アップグレード完了
Heerema Marine Contractorsは、所有する5,000トン吊りクレーン船「Aegir」のアップグレードが完了したことを発表しました。
アップグレード内容は、2番ホイストの吊り上げ能力を2,000トンから3,200トンへ、そして揚程を110mに増強するというもの。シンガポールのSeatriumでおこなわれたアップグレードは、搭載しているメインクレーンの製造メーカーであるHuismanが実施。
Heerema Marine ContractorsがLinkedInへ投稿した画像には、アップグレード後の2番ホイストによる負荷テストの様子が掲載されています。
台湾での洋上風力建設工事に向けたアップグレード
今回のアップグレードでは、クレーンの最大吊り上げ能力5,000トンは変わらず、2番ホイストのみアップグレードが実施されました。Heerema Marine Contractorsはその理由について、Ørstedが台湾の彰化県沖で開発を進めている「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」での施工に向けた準備であると述べています。
「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」は、出力14MWの風力タービン66基を設置する計画で総発電容量は920MW。風力タービン基礎にはサクションバケットジャケットを採用しており、重量は2,500トンになるという。ジャケットの高さは不明ですが、重量からするとアップグレード前のクレーン船「Aegir」ではメインクレーンでしか吊り上げ出来ない状態でした。アップグレードで揚程も増強していることから、2番ホイストの吊り上げ能力をアップしなければ施工が出来なかったようです。
「Greater Changhua 2b and 4 offshore wind farms」の拠点港で資機材などに関して搬入時の荷受けや積み出しに伴う揚重、ヤード内での運搬作業などのマーシャリング作業については、オランダのMammoetと台湾のGiant Heavy Machinery Serviceの合弁会社Mammoet-Giant Taiwanが担当する予定。リングクレーン「SK 350」の設置が想定されており、最大吊り上げ能力は5,000トン。
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