CadelerのSEP起重機船「Wind Ace」建造開始
2024年7月18日、中国のCOSCO ShippingでCadeler向けとなるSEP起重機船「Wind Ace」(建造番号:N1131)の鉄鋼切断式(First Steel Cutting Ceremony)がおこなわれ、建造を開始。
建造を開始した「Wind Ace」は、COSCO Shippingで建造しているCadeler向けのSEP起重機船として4隻目にあたり、A-classと呼ばれるCadelerのシリーズ船としては「Wind Ally」に続いて2隻目。
完成・引き渡し予定は、2026年第3四半期。
CadelerのA-classは以前までF-classと呼ばれており、A-class2隻目に搭載するクレーンについては2022年12月にHuismanがLeg Encircling Crane(LEC)の設計と建造に関する契約締結を発表しています。クレーンは福建省漳州市にあるHuisman Chinaで製造し、2025年末に中国の江蘇省にあるCOSCO Shippingの建造場所へ納入される予定で、吊り上げ能力は3,000トン以上。
CadelerのSEP船 建造状況
船名 | 建造番号 | クレーン能力 | 着工 | 起工 | 進水 | 引き渡し予定 |
---|---|---|---|---|---|---|
Wind Peak (P-class①) | N1063 | 2,600トン | 2022年6月 | 2023年7月 | 2024年1月 | 2024年第3四半期 |
Wind Pace (P-class➁) | N1064 | 2,600トン | 2023年2月 | 2024年1月 | 2024年6月 | 2025年第2四半期 |
Wind Ally (A-class①) | N1130 | 2,600トン | 2023年9月 | ― | ― | 2025年第3四半期 |
Wind Ace (A-class➁) | N1131 | 3,000トン以上 | 2024年7月 | ― | ― | 2026年第3四半期 |
Wind Apex (A-class③) | 未定 | 未公表 | ― | ― | ― | 2027年上半期 |
Wind Maker (M-class①) | No.3306 | 2,600トン | ? | 2024年3月 | 2024年6月 | 2025年第1四半期 |
Wind Mover (M-class➁) | 未定 | 2,600トン | ― | ― | ― | ? |
現在、Cadelerが建造しているSEP起重機船は7隻。そのうち5隻、P-calssの2隻およびA-classの3隻を中国のCOSCO Shipping HEAVY INDUSTRYで建造予定。残るM-classの2隻は、韓国のHanwha Ocean(旧 大宇造船海洋:DSME)で建造。
日本最大のSEP起重機船「BLUE WIND」に搭載されているクレーンの最大吊り上げ能力は2,500トンですが、Cadelerが建造している7隻はすべて「BLUE WIND」を上回るクレーン能力。
クレーン船 建造情報
Cadelerのマスコット「Felix」
鉄鋼切断式の記念撮影で中央に映っている少し奇妙なキャラクターは、Cadelerのマスコット「Felix」。
マスコットの「Felix」はヒトデ(Starfish)をモチーフにしているそうです。マスコットを開発した目的は、建設工程全体を通して安全性に対し、常に注意を払うためらしい。ヒトデと安全がどのように結び付くのか分かりませんが、ヘルメットをかぶって保護メガネをかける「Felix」の姿は憎めない感じ。
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