ドイツ沖の「Gennaker」で風力タービン輸送・設置の優先供給契約締結
2025年7月29日、Skyborn Renewablesは「Gennaker Offshore Wind Farm」の風力タービン輸送・設置についてFred. Olsen Windcarrierと優先供給契約(PSA,Preferred Supply Agreement)を締結したと発表しました。
「Gennaker Offshore Wind Farm」は、ドイツのフィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15kmのバルト海でSkyborn Renewablesが開発を進めており、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-236 DD」63基と洋上変電所2基を設置する計画で総発電容量は976.5MW。
Skyborn Renewablesのプレスリリースによると、風力タービン輸送・設置の優先供給契約は7月24日に締結され、傭船契約(Charter Party Agreement)は2025年後半に締結予定。「SG 14-236 DD」63基の輸送・設置には、Fred. Olsen Windcarrierの1,600トン吊りSEP起重機船「Brave Tern」を配船することが明らかにされています。風力タービン設置作業は2028年に開始される予定。
2024年にアップグレードを実施した「Brave Tern」

「Gennaker Offshore Wind Farm」で風力タービン設置をおこなうSEP起重機船「Brave Tern」は、2024年にスペインのNavantia造船所でアップグレード作業を実施しています。
アップグレード内容はメインクレーンを載せ替えるという大規模なもので、それまで800トンだった吊り上げ能力は1,600トンに増強され、メインフックの揚程は甲板上から157.5m、最大400トン吊りの補助フックの揚程は166.5mへ大幅にアップ。
2024年11月23日早朝、造船所の岸壁から離岸する作業中に「Brave Tern」のメインクレーン先端が造船所の25トン吊りジブクレーンに引っ掛かったような状態で接触し、そのまま海側へ引き倒して倒壊させるという大きな事故を起こしましたが、アップグレードは完了しているようです。
船名 | Brave Tern |
クレーン能力 | 1,600トン |
揚程 | メインフック:157.5m(1,600トン、甲板上) 補助フック:166.5m(400トン、甲板上) |
長さ | 132m |
幅 | 45m |
深さ | 9m |
レグ長さ | 92.4m |
作業水深 | 60m |
速力 | 12ノット |
DPS | DP2 |
Gennaker Offshore Wind Farm

名称 | Gennaker Offshore Wind Farm |
設置位置 | ドイツ フィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15km |
発電容量 | 976.5MW |
基礎構造 | 着床式、モノパイル |
タービンメーカー | Siemens Gamesa |
風力タービン | 9MW → SG 14-236 DD |
設置基数 | 103基 → 63基 |
運転開始 | 2028年 |
事業者 | Skyborn Renewables |
その他 | 洋上変電所2基 |
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