アメリカ初のジョーンズ法に準拠したSEP起重機船となる「Charybdis」。搭載する2,200トン吊りのクレーンが中国のHuismanで製作され、アメリカのテキサス州に向け重量物運搬船によって運搬が開始されました。SEP船「Charybdis」の完成予定は2023年第4四半期。
米国初のSEP船「Charybdis」に搭載するクレーン運搬
テキサス州のブラウンズビルにあるKeppel AmFELSで建造中のジョーンズ法に準拠したSEP起重機船としてはアメリカ初となる「Charybdis」。そのSEP船に搭載される2,200トン吊りのHuisman製クレーンが中国の福建省にあるHuisman Chinaで製作され、アメリカへの運搬が開始されました。
AIS情報によると、2023年2月8日に福建省漳州市にあるHuisman Chinaを出港し、2月25日時点ではハワイの北側を航行中。3月11日に太平洋側にあるパナマ運河の入り口、バルボア港到着予定になっていました。パナマ運河からSEP起重機船「Charybdis」が建造されているKeppel AmFELSまでは、約3,000km(約1,600マイル)。平均10ノットで航行したとして、3月中旬くらいにテキサスへ到着すると思われる。
運搬を行うのは、BigLift Shippingの重量物運搬船「HAPPY STAR」。全長156m、幅29m、積載重量は19,000トンで2014年に建造。
搭載されている2基のクレーン能力は、それぞれ1,100トン吊りでタンデムリフトにより2,200トンの吊り上げが可能。
ジョーンズ法に準拠した米国初のSEP起重機船「Charybdis」
SEP起重機船「Charybdis」は、2020年12月16日にアメリカのテキサス州南部にあるブラウンズビルのKeppel AmFELSでキール敷設が行われ、建造が開始されています。建造費用及び試運転費用などのプロジェクト費用は約5億ドル。完成予定は2023年の第4四半期。
Dominion Energyの掲載記事によると、SEP起重機船「Charybdis」の運用を行うのは子会社のBlue Ocean Energy Marineとのこと。
船名 | Charybdis |
クレーン能力 | 2,200トン(ジャッキアップ時) 1,700トン(フローティング時) |
ブーム長さ | 130m |
長さ | 144m |
幅 | 56m |
深さ | 11.5m |
喫水 | 7.5m |
DPS | DP2 |
搭載可能重量 | 11,500トン |
デッキ強度 | 10t/m2 |
デッキスペース | 5,400m2 |
レグ長さ | 109m |
スパッドカン | 182m2 |
プロペラ | 3,700kw×3(格納式) 3,200kw×4(固定) |
最大乗船人数 | 119名 |
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