全長241m、浮体式生産貯蔵積出設備「海洋石油123」引き渡し
2023年6月16日、江蘇省南通市にある招商局重工(江蘇)有限公司が中国海洋石油有限公司(CNOOC)向けに建造していたFPSO(Floating Production, Storage and Offloading system)と呼ばれる浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備「海洋石油123」(HAI YANG SHI YOU 123)が引き渡されました。
「海洋石油123」は全長241.69m、幅45.2m、深さ25.4mで、海洋油田・ガス田のある洋上で石油・ガスを生産するための浮体式設備。生産した原油を船体内のタンクに貯蔵し、輸送タンカーへ積出する。船体の外観は自航船のような形状ですが、プロペラなどの推進装置は搭載されていないため自航することは出来ず、設置海域までの移動にはタグボートなどで曳航する必要がある。
船名 | 海洋石油123 (HAI YANG SHI YOU 123) |
総トン数 | 84,722トン |
載貨重量トン | 115,259トン |
長さ | 241.69m |
幅 | 45.2m |
深さ | 25.4m |
陸豊12‐3油田で稼働する予定
引き渡しが終わったFPSO「海洋石油123」は、中国南東部にある広東省深圳市から南東260km沖合に位置する「陸豊(Lufeng)13-1油田」で稼働する予定。現地では一点係留による係留方法が採用されており、タレットと呼ばれる係留装置は船首側の船体内部に搭載されている。
「海洋石油123」に搭載されているタレットは動作水深240mで設計され、総重量は1,500トンという巨大なもの。タレットが船首外部にあるエクスターナル・タレット(External Turret)ではなく、タレットが船体内部に位置するインターナル・タレット(Internal Turret)が採用されている。台風が多く海象条件が非常に厳しい海域で使用されている方法。
エクスターナル・タレット(External Turret)
インターナル・タレット(Internal Turret)
さらにエッジコンピューティングやAIなど多くのデジタル技術を活用しており、洋上石油・ガス生産に対する24時間のモニタリングと早期警報補助や、管理・コントロールを実現。陸上では、デジタルツイン技術を利用した中国初の陸上スマートコントロールセンターが設備の遠隔マッピングや海・陸合同管理をおこなうという。
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