スエズ運河で衝突事故により沈没したタグボートの引き揚げに成功
2023年8月9日、スエズ運河庁(Suez Canal Authority)は衝突事故によりスエズ運河で沈没したタグボート「FAHD」の引き揚げに成功したことを発表した。事故は8月5日に発生し、タグボートに乗船していた7人の乗組員のうち6人は救助され1人は行方不明になっていましたが、捜索活動の結果、水深27mに沈没したタグボートの船内から発見され、死亡が確認されたという。
事故後、沈没したタグボートの位置を特定するとともに、船体の引き揚げに向けた準備が進められ、500トン吊りクレーン船「Enkaz」が現地に手配されました。水深27mの位置で発見されたタグボートを引き揚げるためにおこなわれた潜水作業は、運河の水流や27mという深度に加えて視界が悪い中での作業だったそうです。
500トン吊りクレーン船「Enkaz」
船名 | Enkaz |
船種 | クレーン船 |
クレーン能力 | 500トン |
長さ | 60.91m |
幅 | 26.62m |
深さ | 5.5m |
出典:Damen
スエズ運河の航行は正常に運航
スエズ運河庁(Suez Canal Authority)の発表によると、8月7日と8日の2日間に両方向でスエズ運河を通航した船舶の合計は146隻、トン数は840万トンに達したという。タグボート「FAHD」が引き揚げられたのは恐らく8月8日だと思いますが、運河内で引き揚げ作業をしていたにも関わらず、ほぼ通常運行に近い隻数の航行が出来ていたことになる。これについては、船舶が安全に航行できるように誘導ブイの設置や警戒業務など多くの措置を実施していたと述べています。
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