米国「Coastal Virginia」2024年のモノパイル設置作業を完了
2024年11月1日、Dominion Energyはアメリカ東海岸バージニア州沖の「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」で2024年の第1期モノパイル設置作業を予定通り完了したことを発表しました。
Dominion Energyのプレスリリースによると、2024年5月22日に1基目のモノパイル基礎設置を実施して以来、風力タービン用のモノパイル基礎78基と洋上変電所1基分にあたるジャケット基礎杭4基の設置を完了したという。
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」では、アメリカ東海岸のバージニア州にあるバージニアビーチから東へ27マイル(約43km)にSiemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-222 DD」を176基設置する計画。14MWの単機出力をパワーブーストにより15MWへ増強が可能で総発電容量は2.6GW。現段階で工程は予定通り進捗しており、2026年後半に建設作業は完了する見込み。
10月末時点で2024年の作業を終了したのはモノパイル設置のみで、トランジションピース設置やエクスポートケーブル、陸上送電設備、そして洋上変電所の設置は引き続き継続して作業がおこなわれる。
出典:Dominion Energy
11月1日~4月30日までモノパイル設置しない理由は鯨の保護
11月1日~4月30日までの間は、「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」の設置エリア付近を絶滅危惧種のNorth Atlantic right whale(タイセイヨウセミクジラ)が通過する期間と予想されており、鯨を保護するという理由からモノパイル設置作業を停止。
5月から10月のモノパイル設置期間においても、打設時の水中騒音を低減するバブルカーテンを使用。さらに、船舶には保護生物監視員を配置、保護種との衝突を避けるため速度制限を遵守するなどの対策を実施。
5,000トン吊りクレーン船「Orion」によるモノパイル設置
出典:The Port of Virginia
モノパイル設置は、DEMEの5,000トン吊りクレーン船「Orion」によっておこなわれました。
モノパイル打設に使用する施工機械は最終深度への打ち込みに油圧ハンマーを使っていますが、1次打設としてCAPEのバイブロハンマーを採用しています。風力タービン用のモノパイル打設には「CAPE VLT-640 Quad」が手配されており、洋上変電所用のジャケット基礎杭打設には杭径に合わせたチャックの「CAPE VLT-640」シングル or タンデムを使用。
「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」の概要
名称 | Coastal Virginia Offshore Wind Farm |
設置位置 | アメリカ バージニアビーチから東へ27マイル(約43km) |
水深 | |
発電容量 | 2.6GW |
基礎構造 | 着床式、モノパイル |
タービンメーカー | Siemens Gamesa |
風力タービン | 14MW「SG 14-222 DD」(パワーブーストにより15MWへ増強可能) |
設置基数 | 176基 |
運転開始 | 2026年 |
事業者 | Dominion Energy |
その他 | 洋上変電所3基 |
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