チュニジア沖の地中海で掘削リグ「Ocean Valiant」座礁

2025年1月13日、チュニジア北部に位置するビゼルトから西へ約30kmの地中海で掘削リグ「Ocean Valiant」が座礁する事故が発生。
報道されている情報によると、事故当時、掘削リグ「Ocean Valiant」はアンカーハンドリングタグ「SPM NEEL PRATAP 180」でスコットランドからトルコへ曳航していたという。そして、チュニジア沖の地中海で荒天に見舞われ、曳航索が破断したことで漂流し、座礁したそうです。
掘削リグ「Ocean Valiant」が建造されたのは今から37年前の1988年。韓国のHYUNDAI HEAVY INDUSTRIESで建造。今回の輸送先であるトルコでは、スクラップ処分される予定だったと報じられています。
今のところ座礁による油の流出や大きな船体の破損は確認されていないということですが、今後、巨大な掘削リグをどのような方法で離礁させるのか気になるところ。スクラップ予定だったことを考えると、燃料などの油脂類は曳航時のリスク低減対策として必要最低限もしくは積んでいない可能性が高そう。
掘削リグ「Ocean Valiant」
掘削リグ「Ocean Valiant」は、アメリカ船級協会(ABS,American Bureau of Shipping)で船級登録されており、所有者はDIAMOND OFFSHORE DRILLING LIMITEDと記載されています。韓国のHD HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.で建造され、1988年9月に竣工。
船名 | Ocean Valiant |
総トン数 | 27,149トン |
長さ | 118.87m |
幅 | 68.88m |
深さ | 43.28m |
船籍 | マーシャル諸島 |
建造年 | 1988年9月 |

出典:MarineTraffic | David Meek
アンカーハンドリングタグ「SPM NEEL PRATAP 180」
アンカーハンドリングタグ「SPM NEEL PRATAP 180」もABSで船級登録されている。ノルウェーのVARD BRATTVAAGで建造され、2009年1月に竣工。建造当時の船名は「MAERSK TRACER」。所有者情報に関しては記載されていませんでした。
船名 | SPM NEEL PRATAP 180 |
総トン数 | 4,678トン |
長さ | 73.2m |
幅 | 20m |
深さ | 9.1m |
船籍 | リベリア |
建造年 | 2009年1月 |

出典:MarineTraffic | David Meek
【動画】座礁した掘削リグ「Ocean Valiant」
2025年1月13日、スコットランドからトルコへ曳航中だった掘削リグ「Ocean Valiant」がチュニジアのビゼルト沖で座礁。荒天によりタグボートとの曳航索が切れたことが原因らしいpic.twitter.com/60o4IwYJTP
— クレーン船.com (@crane1000com) January 19, 2025
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