座礁したタンカー「さんわ丸」燃料と積荷の一部を抜き取り離礁に成功

出典:MarineTraffic
2025年1月12日、北海道函館市の恵山岬沿岸で座礁したタンカー「さんわ丸」の船体を曳き出す作業が実施され、11時ごろ離礁に成功。
座礁したタンカー「さんわ丸」の船体を曳き出す作業は日本サルヴェージの「航洋丸」でおこなわれ、11時ごろにゆっくりと沖へ向かって動き出した。1月6日18時ごろに座礁事故が発生して以降、船体を曳き出す作業は1月7日と10日に実施されていましたが、いずれも船体は動かず失敗に終わっていました。
座礁事故発生から7日目の1月12日、3度目になる曳き出し作業では前日の11日に燃料の重油約200kLおよび船内の清水に加えて、積荷約3,800kLのうち約300kLの抜き取りをおこない、離礁に向けて船体を軽くする準備が実施されていました。
曳き出されたタンカー「さんわ丸」は、座礁位置から約1海里(約1.85km)沖で船体損傷の程度を確認する作業がおこなわれ、17時前に函館港へ向かって曳航を開始。日付が変わった1月13日8時ごろ函館港の港町埠頭へ無事到着した。
- 2025年
1月6日座礁事故発生1月6日13時ごろに北海道苫小牧を出港して秋田に向かって航行中、18時ごろ北海道函館市の恵山岬沿岸に座礁
- 1月7日現場に到着した「航洋丸」で曳き出し作業を実施するも船体は動かず
- 1月8日燃料の重油流出、乗組員11人のうち7人を救助
- 1月9日破損した燃料タンクに残る重油を別のタンクへ移し替え
重油は長さ約2.7km、幅約1kmにわたって拡散、約2km離れた恵山漁港で漂着を確認
- 1月10日再度「航洋丸」で曳き出しを試みるも船体は動かず
- 1月11日燃料などの抜き取りを実施
多目的作業台船「海島」による燃料などの抜き取り作業を実施
- 1月12日離礁に成功
- 1月13日曳航され函館港に到着
業務上過失往来危険の疑いで捜査

タンカー「さんわ丸」の座礁事故に関して函館海上保安部は、人為的なミスで座礁した可能性も含め、業務上過失往来危険の疑いで捜査しているという。
幸い座礁事故による人的被害は出ませんでしたが、船体から流出した油は周辺海域へ拡散している。環境被害がどの程度になるのかは分かりませんが、類似事故を防止するためにも事故原因や事故を引き起こす要因となった背景を明らかにすることが重要になりそう。
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