無人潜水艇プロトタイプ「Manta Ray」の水中試験完了
2024年5月1日、DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency:国防高等研究計画局)はNorthrop Grummanが製作した無人潜水艇(UUV:Uncrewed Underwater Vehicle)プロトタイプ「Manta Ray」が2024年2月と3月に南カリフォルニア沖で本格的な水中試験を完了したと発表。
水中試験では浮力、プロペラ、操縦性など船体の推進と操船のすべてのモードを使用した水中操作を含む、海上での流体力学的性能を実証。引き続き、PacMar Technologiesによる本格的な環境発電システムのテストが継続される予定だという。
「Manta Ray」はDARPAの”Manta Ray program”を通じて製造されており、エネルギー管理技術、ペイロード容量の増加、低出力推進など将来のUUV設計に必要な主要技術を進歩させるという目的があるそうです。
Manta Ray=オニイトマキエイ
無人潜水艇の名称「Manta Ray」は、オニイトマキエイの英名。見た目がそっくり。
日本でもマンタと呼ばれることが多いオニイトマキエイは熱帯の海の表層を遊泳し、泳ぎながらプランクトンを食べる。大きいものだと体の横幅は8m、体重3tに達する個体もいるようですが、無人潜水艇「Manta Ray」のほうは船体寸法などサイズについて明らかにされていません。
モジュール設計により世界中へ迅速な配備が可能
Northrop Grummanは、メリーランド州の製造場所からカリフォルニアの試験場所まで、UUVプロトタイプ「Manta Ray」をいくつかのセクションに分けて輸送を実施。輸送と組み立ての容易さが実証され、限られた海軍施設の桟橋スペースを混雑させることなく、世界中への迅速な配備の可能性が裏付けられたという。
DARPAの ”Manta Ray program” マネージャーであるRayKyle Woerner博士は、「国境を越えたモジュラー輸送、現場での組み立て、その後の配備の組み合わせは超大型 UUV としてこれまでにない機能が実証された」と述べています。
有人ではなく無人潜水艇なので、輸送に有利なモジュール仕様に比較的向いていることからメリットを最大限に活かしているようです。
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