石狩湾新港洋上風力向け作業員輸送船「RERA AS」が運航開始

洋上風力発電
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石狩湾新港洋上風力向け作業員輸送船「RERA AS」が運航開始

2023年7月5日、日本郵船は自社が保有する洋上風力向け作業員輸送船(CTV,Crew Transfer Vessel)「RERA AS」について、石狩湾新港で洋上風力発電設備の建設・運転・保守をおこなう風力タービンメーカー Siemens Gamesaへの引き渡しが完了したと発表。これは、2023年2月に日本郵船とSiemens Gamesaとの間で締結された定期傭船契約に基づくもので、Siemens Gamesaは作業員輸送船の船舶管理と運航について日本郵船のグループ会社である北洋海運㈱と契約しており、7月中に運航を開始するという。

日本郵船が掲載している記事によると作業員輸送船「RERA AS」は、日本海事協会(ClassNK)から国際基準の船舶安全管理システムを構築したことを示すISMコード(International Safety Management Code)認証とともに、作業員の安全な輸送に必要な設備やマニュアルを完備したことを認めるノーテーション「Wind Farm Support Vessel – Crew Transfer Vessel (WFSV-CTV)」を国内のCTVとして初めて取得。

船名RERA AS
総トン数138トン
長さ27.10m
9.00m
乗客定員12人
船籍港石狩
WFSV-CTV「RERA AS」
出典:NYK Line
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船名はアイヌ語が由来

作業員輸送船「RERA AS」の船名は、アイヌ語で「レラア」”風が吹く”という意味があるそうです。自然を大切にするアイヌ文化と再生可能エネルギー推進理念との親和性が高いことから名付けられたという。

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作業員輸送船「RERA AS」の特徴

日本郵船の掲載記事では、作業員輸送船「RERA AS」の特徴を3点挙げている

作業員輸送船「RERA AS」の特徴

1.英国の船舶用機器メーカーReygar社のCTVに特化した運航モニタリングシステム「BareFLEET」を日本で初めて採用

 ➡本船の動静や燃料消費量、機器の状態などのデータを総合的に収集して分析し、船内と陸上で確認することが可能

2.スカパーJSAT株式会社とNTTワールドエンジニアリングマリン株式会社が提供する高速インターネットサービスを国内で初めて導入

 ➡陸地に近いエリアでは4G通信、離れた海域では高速衛星通信の利用が可能で船員の業務環境や福利厚生の向上

3.欧州の過酷な海域で運航するCTVで採用しているものと同型のフェンダーを搭載

 ➡風車の支柱に船体を押し付ける際に摩擦力を増加させ船体を安定させる効果があり、作業員の移乗時の安定性を高め、安全な作業員輸送に直結

7月中に運航を開始する予定の作業員輸送船「RERA AS」。船の性能や設備、運航システムなど素晴らしい条件で作業が出来る環境が整っていることは間違いなさそう。SEP起重機船「BLUE WIND」も石狩新港に到着し、これから風力タービン設置という次工程に移行していく中で、大型クレーンを使用する作業に注目が集まりますが、船での乗下船を頻繁におこなう作業員輸送船にも多くの危険が潜んでいる。これからの台風シーズンや知床観光船事故が起きた時のような天候の急変など、特に注意が必要かもしれない。

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