日本郵船グループが大連造船と重量物運搬船の建造契約締結

中国船舶集団(CSSC,China State Shipbuilding Corporation)は、大連船舶重工(DSIC,Dalian Shipbuilding Industry Corporation)と日本郵船の100%子会社であるNYKバルク・プロジェクト(NYK BULK & PROJECTS CARRIERS)がDWT(載貨重量トン数)33,000トンの重量物運搬船について建造契約を締結したと発表しました。
中国船舶集団が掲載している契約調印式の画像によると、建造契約は中国の大連市で2025年2月26日におこなわれたようです。
大連船舶重工は、中国船舶集団の傘下である中国船舶重工の子会社にあたり、NYKバルク・プロジェクトとの造船契約は初めてだという。
中国で報じられているメディア情報によると、今回の契約にはDWT33,000トンの重量物運搬船2隻の建造に加え、さらに2隻の建造オプションが含まれており、建造契約を締結した2隻の新造船は2027年に引き渡しが予定されている。
載貨重量トン数(DWT,Deadweight Tonnage)とは、満載喫水線の限度まで貨物を積載したときの全重量から船舶自体の重量を差し引いたトン数。この中には運航に必要な燃料・水・食料などの重量も含まれる。
洋上風力プロジェクトでの活躍にも期待

建造契約がおこなわれた重量物運搬船の大きな特長は、大型モジュール機器の輸送に特化した船型。新造船は、日本海事協会(ClassNK)で船級登録され、パナマ船籍となる予定。
船体寸法は公表されていませんが、広い甲板設計と高い積載能力により、洋上風力発電設備や石油化学モジュールなどの超大型貨物の輸送ニーズを満たし、グローバルな特殊物流の効率を大幅に向上さるという。
NYKバルク・プロジェクトは現在、「邪馬台」および「大和」という2隻の重量物運搬船を運航しています。2隻は姉妹船で、長さ162m、幅38m、深さ9m。両船ともに2010年竣工。DWTは約2万トンとなっており、新造船のDWTは33,000トンであることから既存船2隻よりも大型になることが推測できる。
NYKバルク・プロジェクトのウェブサイトでは既存船2隻について ”モジュール船” と説明されていて、大型モジュールの搭載・海上輸送を可能にする広くフラットな甲板が大きな特長となっている。洋上風力プロジェクトでは、洋上変電所のトップサイドやジャケット、風力タービン基礎のモノパイル輸送など活躍できる場面が多くありそう。


出典:NYK BULK & PROJECTS CARRIERS
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